買い物から帰って来て
デッキの前に車をとめたんだ。


家の中の方が
外みたい。



今の時期、

真前に夕陽が沈む。



離島の自然は

ファンタスティック。



そして、

計算しつくされて建った

中古物件の買い物を

大正解に思って



買うことを決めた

過去の自分と出会って

ありがとうってお礼した。



今が気に入らないと

未来に望みを放ってばかりの人も

たくさんいると聞いたけど、



過去の自分の選択たちで、

今生かされてるのだから

過去の自分に御礼を伝えなかったら

本当は何も始まらないんじゃないかと思う。



どうしてもどうしても

今が気に入らないのなら

“未来の自分に感謝されたいから”

という名目で



感謝できる過去づくりを

“今”から始めることが

“今今ここ”になんじゃないか。



というか、

過去があるとか、

未来があるとか

思ってる時点でほんとは

終わってんだ。



本当は“今”しかない。



家の中が

オレンジ色に染まってるであろう

自分の家をみて、




思わず低い声で

『あ〜』と唸る。



それは、

疲れ切った身体で

適温の温泉に浸かった時のよう。



生きながらの極楽浄土が、

今、目の前に広がってる。



吉野さやか