私は一人で営業として立ち回るようになってからも、

長年うまくできなかったなと思っているのが、

有事の際のお客様とのコミュニケーションです。

 

システムの会社なので、障害が発生することはどうしても免れられないのですが、

私自身が営業として障害の際に何をすれば良いのか、

新入社員の頃は本当にわからず、休日深夜関係なく障害復旧作業をする方々に

ひたすら差し入れをする、打ち合わせの議事録をとる、ぐらいしかしていませんでした。

 

その後、先輩の後ろ姿を見たりしながらわかったことは、

営業はお客様と会社のそれぞれの状況を把握し、

双方の会社内がどのように上層部までコミュニケーションされているかも把握し、

会社として我が社が障害対応に全力を注ぐ体制になっているか、

その体制で一生懸命やっていることがお客様に伝わっているか、

などなど、客観的な目で状況を見ながら、

スムーズに障害対応が進むことを裏方として

マネージしていくことなのだ、とわかりました。

 

お客様の状況をお伺いするには、

どうしたってお客様と話さないとわかりません。

でも我が社がご迷惑をおかけしている状況なのに、

そんな会社の営業にわざわざ状況なんて話していただけるのかな、、、

とか、

厳しいお言葉をいただいた打ち合わせの後なのに、、、

と、つまりは勝手にお客様を恐れてしまい、なかなかお声がけすることができず、

お客様状況がわからずに社内からも怒られる羽目になって、

どうしたらいいんだ〜!と叫びたい気持ちになったことが多々ありました(笑)

 

この頃の私は、障害を起こしてしまった会社と自分を同一化し、

会社の代表である私にも責任の一端があるので、

お客様は私にも怒っているに違いない、と思っていました。

 

しかし、ある時、障害対応が終わった後に、

それまでにリレーションを築いていたお客様との会話で、思い切って、

「障害対応時にもお客様の状態をお伺いしたいが

障害対応の際にご協力いただけるものか?」

とお伺いしてみました。

 

するとお客様は、

「きちんと対応していないように見えるメンバーには怒ることはあるけれど、

障害という事象と人とは、基本的には切り離して考えているから、

もし困ったことがあったら、聞いてもらって構わない」

とおっしゃってくださいました。

「ただし、障害対応時は忙しいので、簡潔に話すことが重要である」

とのポイントまで、教えてくださいました。

 

もちろん、お客様の感情に共感する必要がありますが、

前回の”共感”のところで記載したように、

相手の感情には巻き込まないことも大切で、

お気持ちを理解はした上で、冷静に仕事を遂行することが

大切なのだと気づきました。

 

そこからは、障害対応時には、

あらかじめお客様にお伺いしたいことを

上司とも話して抜けもれないようにし、

ポイントをメモし、

優先順位をつけておき、

障害対応のお打ち合わせが終わったタイミングを見計らって

お客様に、お客様の状況を ”簡潔に&ポイントを絞って” 

お伺いするようにしました。

(お時間がなさそうな場合でも、ここまでは教えてほしいという

ポイントは抑えておくためにも、優先順位づけをしていました)

 

お声がけの際は、

「弊社の上層部まできちんとお客様の状況を伝え、社として迅速に

対応できる体制を整えたく、お客様状況をお教えください」

とお願いをしました。

また、何度もお伺いすることになるので、次からは、

会社がどのように上層部含めて動いているのかを報告してから、

お客様状況をお伺いするようにもしました。

(聞かれてないけど報告していました)

 

お客様は、障害対応を迅速化させようとしてくれているのだとわかると、

きちんと対応くださる方が多かったです。

また、そういった対応をしてくれる営業なのだということを、

普段からの会話で認識いただいておくことも重要なのかなと思います。

 

とはいえ、本当に難しい状況だと感じる時は、

お伺いを止めることもありました。

そんな時は、会社へは逆に、

「いつもは聞けるこの私でも、今日のお客様の状況を見ていると、

今は聞けない状況だと思う」

と、臆せず伝えることで、仕方ない状況なんだなと思ってもらい、

仕事をサボっているわけではないことを伝えていました。

ちょっと、偉そうに書いてしまいましたが、、、

これは年次を重ねたから言えることかもしれません・・・笑