螢石は化学組成式からみれば無色なのですが、実際にはいろいろな色のものがあります。
よく見かけるものは紫や薄い緑。
中国産の薄い緑色のもは蛍光します。薄い紫と薄い緑、濃い紫、透明、それにニュアンスが異なる赤紫。そんな色が縞々になっているものもあります。
縞々といえばアルゼンチン産のものが有名。
研磨するとより縞々が美しいので、市場に出回っているアルゼンチン産螢石のほとんどは研磨されてしまっています。
蛍光するといえばイギリス産の濃い緑色の蛍石が有名です。
自然光に含まれる紫外線でも、結晶の角が青色に蛍光するほど、蛍光が強いものです。「蛍光する」という意味の「Fluolessennce」は螢石が蛍光することからつけられたのですが、このきっかけになった螢石がイギリス産の強蛍光の蛍石です。
もう一つ面白いのは、この産地の蛍石が緑色でなくても蛍光するものがあること。
中国産のものは薄い緑色のもの以外は蛍光しないものが多いのですが………興味深いことです。
それから、螢石の産地で有名なのは、今ではもうすべての鉱山が閉山されて久しい、アメリカイリノイ州。
ここでは黄色のものもありました。黄色は他の色に比べれば希少で、ここの産地のものは透明度が高く、薄い紫、ピンク、濃い紫、水色など色とりどりでした。最近では色も薄く、透明度が低い、表面に粉がふいていて一見、中国産と思うようなものしか入手できなくなっています。
個人的に好きなのはアメリカニューメキシコ産の螢石。
濃い青色や薄い青色、空色から櫻色のグラデーションをしたものなど。透明度はイリノイ州産ほどではないのですが、そのおもちゃっぽい色合いが好きです。
螢石はこのほかにもカルフォルニアやスペイン、日本でも産出されますが、高値で取引されているのがスイスやフランスのピンク螢石。ピンク色が螢石としては珍しいので価格が上がっているようです。
スイスやフランスのピンクより少し紫がかったのがペルーや、今回紹介するメキシコ産の蛍石。
これは鮮やかな色の割には、お手頃価格です。
ちょっと浮かれた春色で、このウキウキ感は見ていて楽しくなります。
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店頭にも少しだけ残しています。
本日、きらら舎には以上5つをアップします。














