ダンチヒとは現在のグダニスク(ポーランド語:Gdańsk グダーィンスク)で、バルト海南部に面するポモージェ地方東部に位置し、グダニスク湾を擁するポーランド最大の港湾都市です。
ダンチヒという呼び名はドイツ語名です。
紀元前650年から紀元前150年頃まで、グダニスクを中心として北はバルト海に、東はヴィスワ川とその河口の三角州に接している一帯にはポメレリア文化と呼ばれる文化があり、11世紀、独立した公国が誕生した際に国名はポメレリアとなりました。
グダニスクは1235年ごろポメレリア国王シフィエントペウク2世によって自治権を与えられました。
ポメレリアはその後ポーランドの支配下となりましたが、ポーランドとドイツ騎士団との戦いの中で、グダニスクにはドイツに貸与されたり、戻ったりという歴史があります。
公式な名称が「ダンチヒ」と定められたのもポーランドの敗戦の結果で、グダニスクがポーランド王国から奪われてプロイセン王国に併合された18世紀のことです。
その後も度重なる戦争を経て、1952年にポーランドが独立を回復すると、もとの「グダニスク」を公式名称としてポーランド領に編入されました。
今回はダンチヒが国連自由市だった時代にダンチヒ(Danzig)として発行している切手です。
グダニスクの旗は赤色一色に黄金の冠と2つの十字が配置されたもので、ダンチヒ時代の切手もほとんどのものに、冠と十字2つがあります。
獅子2頭がある柄も非常に多く、紋章図案が好きな方にはたまらないデザインです。
獅子がいない図案でも、デザインが優れたものばかりで、すべて1~2色での印刷ですが、ざらっとした手触りの紙に少ない色で印刷された切手はとても趣があります。
実際にはもともとドイツ管理下時代の切手や葉書に加刷したものを使用していましたが、途中から独自の図案が使用されたという経緯があり、ドイツ的な香りがするのはそういうわけです。
今回は古いブリキの缶(真鍮色塗装)に3枚入れて、外国の古い本の頁紙(フランス語、ドイツ語のいずれか)を2枚おまけにつけてお届けします。