本日は普通の硝子の欠片な形のもの。
まずはやや小さめなのですが、パティナのグレードが高いものを3つ。
11-1G
両面に寒色系の鮮やかなパティナがでます。
表面には細いライン模様が入っています。
穴は開いていません(手を切らないように縁の鋭利な部分は研磨してありますが、断面にもパティナが出ているので、ほとんど加工なしの欠片です※)。
11-1H
とても小さな欠片ですが、パティナが強く、現れる色も豊富です。
穴なし
11-1I
この欠片は硝子自体が薄いのですが、もとの色が濃いことと、まんべんなくパティナが現れるために、角度によって実にいろいろな雰囲気になります。
青色、緑色のパティナが現れる角度が多く、ときどき、一定の角度で黄色やオレンジが強く出ます。
緑色も、青色がかったものと黄色が強いものと表情豊かです。
穴なし。
※ 出土したローマングラスはクリーニングをします。その際に土だけではなく、剥離しやすい銀化部分も一緒に剥がれます。銀化しているので、そこにもパティナが現れているものが多く、それでも場合によっては、剥離したものが服を汚す(黒い服などにつくとキラキラしてなかなかとれません)ので、できるだけ剥がします。
また、セメントみたいな部分は、そこにもパティナが現われているもの以外は、あまり美しくありませんので、簡単にはがれる部分は剥がしてしまいます。
その下からきれいなパティナが現われることが多く、また、剥がしたものの裏面にも美しいパール色が踊ります。
さらに、割れた欠片。
割れた後銀化していると、断面にもパティナが現われていて、銀化によって鋭利ではなくなっているので、研磨処理はしませんが、出土中に割れてしまった断面は、鋭利なので、それを手にした人がケガをしないよう、最小限ですが研磨します。
また、アクセサリーとして加工しやすいように穴を開けたものもあります。
今回の3つはすべて穴なしです。
アクセサリーに加工する場合、多くは金属で縁をつける方法。ステンドグラスみたいな感じです。