妖精の燐粉標本 | 天氣後報

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本日、ローマングラスの仕入れ日でした。

週末(31日)の月光カフェローマングラスフェア用です。


ローマングラスの表面に出る遊色効果はパティナと呼ばれます。

長い間土の中に埋まっていた硝子の表面が銀化して、この美しい光を纏っているのですが、パティナにはいくつかの種類があります。


表面に薄い膜のように付いているもの。

硝子自体が月のクレーターのように変形し、あるいはざらつき、そこにパティナが現れるもの。

その名のとおりに銀が付着したようになっていて、そこが輝くもの。


ローマングラスのパティナが一体どんな条件の下で、どんな成分によって構成され、あるいはどんな光の反射を起こしているのか……なんて科学的な詳細はわからないのですが、いくつかあるパティナの中で、まさに銀が付着したようになっているもの。これは爪で剥離することができる場合があります。


そもそも考古学でパティナというと、石器の表面が風化して白っぽくなったりすり硝子のようになった部分のことで、そのような部分は石器本来の部分から剥離が起こったりし、その量が状態で石器の年代を知るものです。


つまり、銀が付着したようになっているものは、まさに考古学でいうパティナのごとく、簡単に剥離できるというわけです。本当に虹色の銀のような場合はまだいいのですが、中にセメントのようなものがあります。これはできるだけ剥がしてみます。

すると、下の硝子の表面にも美しいパティナが存在しています。

ところが、剥がしたものにも、やっぱり多少のパティナが現れます。


キラキラ輝くこの粉を捨てられずに、剥がしたものをずっと貯めていました。




天氣後報-妖精の燐粉標本

虹色に輝く粉。

これをミニチュア試験管に入れてみました。


まるで妖精の燐粉のように見えました。