インシュレーター CD106 Hemingray No.9 Clear | 天氣後報

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まず、久々にインシュレーターを輸入したので、きらら舎で扱うインシュレーターについて説明しておきます。


輸入は主にアメリカとカナダから行っています。

時代は1900年代のもので、レプリカなどではなく全てヴィンテージです。

木製の電柱についていて、電話(電報)のラインの絶縁体としての役割を担っていました。

(ちなみに日本では白い陶器製のもので、現在ではセラミック製となっています。電信柱を見上げて上のほうに白い丸っこいものや蛇腹のような筒型のものが見えると思います)


アメリカではスミソニアン協会によって歴史的な価値を評価されていて、多くのコレクターが存在し、マーケットやクラブも多数存在しています。

マニアたちがターゲットとしているインシュレーターは100ドル以上のものがメインで、300ドル500ドルのものも珍しくはありません。


しかし、日本ではまだインシュレーターの価値に一定基準もなく、たとえ300ドルのものを輸入しても、3万円では販売できないのが実情です(日本において骨董の価格は、それをどれくらい欲しい人がいるかで決まるためです。)。

また、もともときらら舎では鉱物標本でもアンティークでも雑貨的な扱いをして販売しているので、インシュレーターも今回のランタン祭のように、LEDライトのシェイドにしたり、ペーパーウエイトにしたり、灯台を模したオブジェにしたりして楽しんでいます。

このインシュレーターもそういうわけで、安いものをメインに輸入しています。

ただ、一応アメリカではヴィンテージとして価値があるものであり、まず輸送してもらうのに、保険がかかります。保険をかけるために空輸で、おまけに硝子製で重いため、送料が嵩みます。ついでに成田で関税がかかります。結果的に販売している価格は現地で購入するものより高額となってしまっています。



きらら舎ではポストカードや硝子碍子通信用のインシュレーター写真は、トレース台の上に乗せて下からライトアップして撮影しています。


では、本日きらら舎で販売分のインシュレーターを紹介しながら、分類や部分の名称について説明してみます。




天氣後報-インシュレーター/きらら舎


CD 106 Hemingray No. 9
色:Clear
エンボス:F-Skirt/HEMINGRAY-9  R-Skirt/MADE IN U.S.A.
RDP(Round Drip Points)

この写真は現在とレース台が商品棚にあるので、棚の茶色が映りこんでしまいました。

実際には無色透明です。


CDというのは以前にインシュレーターを紹介した際にも書いたかもしれませんがConsolidated Designの略で、数百もあるインシュレーターの型をこのCD番号で分類しています。
Hemingray というのは当時の大手硝子碍子会社の名前。

Skirtというのは下の部分の名称です。F-SkirtのFは「フロント」のF、つまり前面で、R-SkirtのRは「リア」のR、つまり後ろです。

上の丸っこい部分(頭とか帽子のような部分)の天辺はCome、その部分の全体をCrown。
頭とスカート部分を分ける溝はWire Groove、ここに電話線が巻かれていたわけです。
下部分がSkirtで、その下の縁がBaseです。

ご購入された方はご存知かと思いますが、内部は電柱に付けられていた際の螺旋溝があります。
この螺旋溝をThreaded Pinhole。下からこの溝が始まるまでの空間(スカートの中)をBase of Threads。
また、内部が二重になっているものもあり、この内側のスカートをInnner Skirt Ptticoat と呼びます。スカートにぺチコート、、、、、な、わけです。

ベースにはフラットなものやツブツブがあるものがあります。
このツブツブはDrip Pointsと呼ばれていて、丸いツブツブはRound Drip Points(略してRDF)、尖がっているツブツブはSharp Drip Points(略してSDP)、平べったいツブツブはFlat Drip Points(略してFDP)。
また、ツブツブのないフラットなベースをSmooth Base、やや丸みのあるベースをRounded Baseと呼びます。