この形を見て、「イカ石!」と呼ぶ人は多いと思います。
でも、イカ石は1916年にイギリスで冷蔵庫内で生成された鉱物で、結晶水を含んだ方解石です。天然のものはグリーンランドのIka fiord(イカフィヨルド)で発見されました。
冷蔵庫で作られたことでもわかるように、生成温度は0~5℃で、8℃で脱水分解して方解石となります。
つまり、これは脱水分解した玄能石(グレンドン石)なのですが、イカ石の仮晶なのでそのままイカ石(Ikaite)と呼ばれるほうが一般的です。
ただし、玄能石がイカ石の仮晶とほぼ確定してはいるものの、まだ謎は多く、たとえばイカ石は単斜晶系ですが玄能石には他の晶系に属するものも存在していたり、炭酸カルシウムではなくマグネサイトを成分とする玄能石も存在するそうで、本当は何者なんだろう……とはいえ、面白い形で飾っても絵になるので好きな鉱物の一つです。