方解石の組成式はCaCo3。つまりは炭酸カルシウムで基本的には無色です。
形状は犬牙状、釘頭状、雫のような球状など実にさまざまです。
この形は劈開の形ですが、この形に割られているものは気軽に割っていってもほとんど、この形のまま小さく細かくなっていきます。
今回、かなり美しい蜜色の劈開標本を入手しました。
透明度も高く、劈開の角も鋭角。そして、なにより虹をたくさん内包しています。
この記事を受けてお問い合わせがきました。
「虹」が出る方解石が欲しいとのこと。
1828年、William・ニコルが発明した偏光プリズムは端面と底面との間の角度が68゚の方解石で作られていました。プリズムは対角線状に半分に切断され、この切断面と短辺面とを直角にし、両者を接合したものですが、方解石には複屈折という性質があり、「燐寸箱をつぶしたような形」と表現される方解石の劈開片はどれでも虹を内包しています。
現在きらら舎で外国切手とセットしてる小さくって安い劈開片でも、いろいろな面から光源を眺めれば、どこかに虹が出現します。