万華鏡の楽しみは二度と同じものはないきれいな画像を次々と眺めることですが、チェンバータイプのものは、オブジェクトを選んで入れて、それがどう見えるか、最初にのぞいてみる瞬間が一番楽しい時でした。
そこで、きらら舎で万華鏡を販売しようと思った時、チェンバータイプのものは、それを購入した方がその一番楽しい瞬間を体験できるようにしたいと思いました。
それで現在販売しているスコープやスコープキットは中身を自由に交換できるものとなりました。
同時にオブジェクトも提供しました。
ミニチュア試験管入り鉱石は、もともとはミニチュアスコープのオブジェクトとしてセットしたものなのです。
このチェコ産のパイロープもドイツのアウィンも、結晶自体が一粒数ミリなので、標本として飾っても眺めて楽しむのは結構大変です。万華鏡のオブジェクトにしてしまうのは一見もったいないような気もするのですが、小さな万華鏡に入れることで、レンズによって拡大され、万華鏡だから結果的に光に翳して眺めることになり、鉱石の楽しみ方としては、案外一番いいんじゃないか、なんて思って仕立てました。
実際に万華鏡にセットしてみて、思いがけなくいい仕事をしたのが藍晶石とマンガン白雲母でした。
パイロープやアウィン、ペリドットやアクアマリンの欠片などはみな小さな粒状です。
そんな中にあって細長く劈開する藍晶石や薄いフィルムのように剥がれて、しかも鮮やかな色を呈するマンガン白雲母は粒状の結晶や欠片を引き立てました。
(これらが万華鏡でどう見えるかは、WEBLABのギャラリー に掲載しています。)
これらをまとめて標本壜に入れても、それはそれで結構可愛い……
フジイキョウコさんの『鉱物アソビ』のおかげで、鉱物に興味を持った方や、すでにいくつか集めていた標本をもっと楽しみたいと思っていた方……、細かい結晶や欠片は万華鏡に入れても楽しいですよ~。そして、万華鏡用の鉱石としていつでも光に翳せるようにして、待機させると、それはそれで素敵な飾り方だと思います。