
友人に頼まれていたのできらら舎 に入荷したものです。この岩塩については「その青い色は結晶の角度と光に因るものらしい」という認識だったのですが、どうやら、作ることもできるそうです。ただし、それなりの設備がないと無理で、天然のものの数倍のコストがかかるので研究目的でない限り、きっと誰も作らないでしょう。
塩化マグネシウムを含む塩化カリウムと塩化ナトリウムの飽和溶液から全体の約10%を析出させ、さらにナトリウム蒸気を加え、電気放電させた後、紫外線を照射。塩素イオンを引き出し、ガンマー線、コバルト60からのベーター線または陰極線を照射(カナダの地質学者が発表した「岩塩の色」という題のレビュー論文より、、、友人談)
「でも、やっぱり赤系の岩塩みたいに混入物があったり、白い岩塩みたいに気泡が入ってるわけじゃないんだね」
「鉛、銅、銀が混ざっている場合もあるし、金属ナトリウムのせいもあるけど、青色の岩塩は他の色の岩塩とは異なった性質を持っているのは確かで、今回はその複屈折と多色性を調べて多色性輪光を見てみたくてね」
理科マニアの友人の会話は半分以上意味不明でしたが
「それより、食べられる旨い塩を持ってきたよ」
と、アンデス産の紅塩を鞄から出したので、「多色性輪光」という言葉がちょっと気になったのですが、
紅塩でブロッコリーを茹で、乳鉢で粉砕してから賞味期限ぎりぎりな銀杏を炒り、酒の肴にしたのでした。