
Angelite(エンジェライト)というのはこの鉱石の色が天使を想像させることから、ギリシャ語の「angelos」に由来して、こう呼ばれるもので、1980年代後半にペルー・ナスカ地方で発見され、市場へ出回るようになった、比較的新しい鉱石です。
エンジェルブルーという色名があることでもわかるように、天使には薄いブルーのイメージがあるようで、それはきっと空の色なんだろうなと思います。
天青石(Celestiteセレスタイト)も天国の石と呼ばれていて、色も薄いブルー。これは実は「仲間」です。
天青石に含まれるストロンチウムがカルシウムに置き換わり、硬石膏に変化するのです。
このエンジェライトはその中間の状態です。
エンジェライトも硬石膏と呼ばれますが、厳密には硬石膏というとAnhydrite(アンハイドライト)と呼ばれる白い柱状結晶の鉱石をさすことが多いようです。
アンハイドライトとは「水がない」という意味(そのまんまですが)で、天青石のストロンチウムがカルシウムに置き換わって石膏となり、さらに水分が無くなって硬石膏へと変化します。
天青石から硬石膏まで。どの過程の鉱石も好きですが、中でも微量のストロンチウムを残して柱状の結晶をしたものがメキシコで発掘されますが、これが一番「天使」のイメージかな、と思っています。
そんなイメージにぴったりのものが見つかったらまた紹介してみます。