ゴールデンウィーク2日目の昨日は、珍しく夫と映画です。
これにはちょっと理由がありまして…
夫が持っているテアトルの株主優待の「映画招待券」の使用期限が4月末に迫っていたので、桐谷さん流に言うと「株主優待券を退治しに行く」必要があったのです。
もともとは、娘たちが映画好きなので、彼女らにあげるつもりでいたようなのですが…
なかなか思ったようにはいかないものですね。
優待券を使える映画館はいくつかあるものの、見たい映画がなかったり都合が悪かったりして娘たちは行けず、遂に期限間近となり「じゃあ、我々二人で行きますか」ということになったのです。
昨日向かったのは「ヒューマントラストシネマ渋谷」というシアター。
なぜここにしたかと言うと、私が少し見てみたいと思っていた「ボーはおそれている」を優待券を使って見られると分かったからです。
https://happinet-phantom.com/beau/
田舎にある我が家からは少し遠いけれど、地下鉄が便利になったので、乗り換え一回で行けます。
ゴールデンウィーク中ですが、むしろゴールデンウィークだからこそ、逆に都心は空いているのではないか…という期待もありました。
ただ、気になったのは、株主優待券ではネット予約ができないこと。
しかも、「ボー」は一日一回しか上映していません。
つまり、行っても満席なら見られない可能性がありました。
なので、上映よりも少し早めに行って予約し、昼ご飯を食べたり美味しいものを買ったりしてから映画を見よう、ということになりました。
ヒューマントラストシネマ渋谷は、B1出口から出てすぐのところにありました。
人混みを歩かずに済んで助かりましたε-(´∀`*)
小ぢんまりとした雰囲気の良いシアターです。
無事予約もできたので、隣の「渋谷CAST」というビルの一階のカフェで食事をすることに。
宮下公園とは反対側の静かな通りに面していて、とても落ち着いた雰囲気のカフェ。
私はここで10食限定のポテトグラタンをいただくことにしました。
夫は定食を頼みました。
グラタンはミルク感が強くとても美味しかったのですが、このパンももっちりしていて美味しかった…
昼食を終え、まだ少し時間があったので、渋谷ヒカリエに移動です。
ここでお菓子を買いたいな…と思っていました。
しかし、特にこれと決めていなかったので、まずはざっと見てから展望階へ。
高い建物が多いので、余り高いところにいるように見えませんが…
その後再びお菓子を買いに戻ると、一箇所で行列が出来ておりました。
この店です。
https://www.bretonne-bis.com/
販売店舗が少ないからでしょうか…
私は焼き菓子が大好物なので、もちろん行列に並びましたよ!
期間限定のフィナンシェや、大好きなカヌレを購入しました。
カヌレが意外とリーズナブルなお値段で驚きでした。
今度、それぞれの実家に遊びに行くので手土産も買いました✨
さて、そろそろ映画の時間です。
映画館はいわゆる「ミニシアター」で、座席はほぼ満席でした。
椅子が程よくフカフカでとても座り心地が良かった…
映画は、上映時間が3時間近くある長いものでした。
ネタバレしたくないので、ちょっと抽象的に感想を書きたいと思います。
簡単にあらすじを書くと…
アラフィフ男のボーは、精神を病んでセラピーに通っている。
翌日は実家の母の元に帰る予定であったが、いろいろあって飛行機に乗ることができず、さらに様々な事件、事故、災難に巻き込まれて、なかなか実家に帰り着くことができない。
…という感じでしょうか。
世界は全てボーの主観から描かれています。
なので、不安の強いボーにとっては、これほどまでに恐ろしく暴力的で、特に母親と性への恐怖や罪悪感に満ちた世界として、破壊的、絶望的に描かれているのが印象的です。
特に母親は、彼にとって絶対的な支配者なのだと感じます。
表現方法としては面白いと思うのですが、この物語には母親を含めて狂ったような人物たちが多数登場します。
この人たちは、実在する人ではなく(物語なので本当には存在しないのですが、ボーの世界で、という意味です)、全ては彼が「怖いもの、不安にさせるもののイメージ」として作り出したものなのではないか、と思ったのです。
もちろん彼の母は実在するのですが、物語に登場する母はかなりイカれているので、あくまでも彼の中のイメージとしての母なのではないか、と。
つまり、物語全てが彼の妄想、あるいは夢なのかもしれません。
最後のシーンを見て、実は物語は全て最初の場面のセラピーの内容で、彼のセラピー中の精神世界を映像化した形で見せられていたのではないか…とも感じました。
…あくまでも個人の感想です。
私はなぜか、昨年の夏頃に見た『君たちはどう生きるか』を思い出しました。
精神世界を異世界として象徴的に表現した作品として似ていたということなんだと思うのですが…
帰りは、夫と一緒にあれこれ感想や考察を述べ合って帰りました。
興味のある方は、ぜひ見ていただきたいトリッキーな作品です。
そんな中でも、冴えないオドオドした、でもどこか育ちの良さを感じさせるという複雑な役柄を、ホアキン・フェニックスが見事な演技力で演じています。
また、あの話題作『ミッドサマー』のアリ・アスター監督が作った作品だけあって、得体のしれない恐怖と不安感があおられます。
精神状態の良い時に見た方がいいかもしれません…
最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m