あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
令和8年が始まりました。
来年、令和9年4月には技能実習が幕を下ろし、新制度「育成就労」がいよいよスタートします。
企業の皆さま、“技能実習に頼る時代”は終わりです。
新しいルールを正しく理解し、3年で戦力を育てる採用と育成の設計へ舵を切りましょう。
このブログでは、育成就労を全8回で私なりにやさしく解説していきます。
現場で迷わない実務の視点で、準備すべきこと・避けたい落とし穴・成功のコツまでお伝えします。
ご不明点はいつでもお気軽にご相談ください。さやか行政書士事務所
正直に言います。
もう「技能実習」を“人手不足の代替”として語るのは限界でした。
そこで登場したのが育成就労。
これは穴埋めではなく、3年かけて人を育て、特定技能1号の水準まで到達させるための、まっすぐでフェアな仕組みです。
入国時点で高度なスキルは求めません。
けれど、日々の仕事そのものをカリキュラムに見立て、働くこと=学ぶこととして設計し直した——私はこの思想に強く惹かれています。
制度が生まれた理由はシンプルです。
国内の人手不足は慢性的で、しかも産業や地域に偏在しています。
世界では人材獲得競争が加速する一方、技能実習は「国際貢献」という建付けのまま運用され、目的と現場の実態にズレが生まれていました。
だからこそ、人材育成と人材確保を正面から目的化した制度が必要だった。育成就労は、その答えだと考えます。
いま押さえるべき節目(超要点)

(出典:出入国管理局)
令和7年9月30日:主務省令を公布
令和8年度:監理支援機関の許可申請/育成就労計画の施行日前申請が始まる予定
令和9年4月1日:制度運用開始(実際の受け入れスタート)
要するに、勝負は令和8年度。
この時期までに体制を整えた企業だけが、施行日の朝から走り出せます。
育成就労には“社会との握手”も組み込まれています。
分野ごとに受入れ見込数(上限)が設定されるのは、日本人の雇用機会や処遇を守るため。
国内人材の確保や生産性向上に取り組んでもなお不足する人数を土台に上限を運用します。
私はこれを「受け入れる社会の合意形成」だと受け止めています。
では、3年後にどこへ到達するのか。
技能は技能検定3級または特定技能1号評価試験に合格、日本語はA2相当(例:JLPT N4)に合格。
現場では“主たる技能”に必要な必須業務へ就労時間の3分の1以上を充てます。
分野をまたいで働くことはできません(たとえば「夏は農業・冬は漁業」は不可)。
育成に一貫性を持たせるためです。
ここで私が好きなのは、学びと働きを分けない潔さ。現場の手触りが、そのまま成長曲線になる設計です。
季節要因にも配慮があります。
農業や漁業のように繁閑の波が大きい分野では、派遣形態での実施が可能です(派遣元と派遣先が共同で計画を作り、派遣時期を事前に明記)。
また、毎年同じ時期に最大6か月の一時帰国を計画に組み込めます。
帰国期間は通算から除外し、日本で働く合計が3年になるように設計します。
結論として、育成就労は短期の穴を埋める制度ではありません。
3年という時間を投資し、共に強くなる制度です。
受け入れる企業の覚悟が、そのまま人材の伸びしろになります。
私は、この制度が“日本で働くことの意味”をもう一度あたため直してくれるはずだ、と信じています。
次回は、育成就労と技能実習・特定技能との違いをご説明させていただきます。