
ぼくはカウンセリングで
自分から自分の体験を
話すことはほとんどありません。
もちろん
質問があればお答えします。
その中で、
一番よく聞かれる質問は
これだと思います。
「5年半のうつ病から治った一番のキッカケは
なんですか
」自分がうつだったとしても
聞きたくなると思います。
相手によって少し変わりますが
近頃このように話すことが
多くなりました。
「まず、”治る”という言葉は あまり好きでないので
”解放された”くらいにします。
キッカケは一言で言えませんが
あえて言えば、、、」
「うつが自分を守ってくれていたことに
気づいた
ことが
一番のキッカケだと思います」
ぼくは
5年半うつと向き合いました。
うつは本当に辛いし苦しいし、
自分が嫌で嫌で仕方なくなって
早く抜け出したかった。
1秒1秒辛い状態が続き、
マンションの最上階から
飛び降りたこともあります。
さらにその1年半後には
大腸全摘出。
どんなどん底から
こころも少し回復してきたとき、
ふと思ったことがあります。
「うつ病と宣告された頃、
もしもあのままうつにならなかったら、
過労で倒れていたのではないか。
終電で帰るのが当たり前で
タクシー帰りの日もよくあった。
それがうつになったことで、
がんばっても頭がまわらないので、
少しは早く帰るようになった」
実は
うつが
ぼくが倒れるのを防いでくれていた
ということに気づきました。
さらに、
ぼくはうつとは逆の「躁状態」だったこともあるのですが、
そのときもうつがぼくを守ってくれていたことに
後から気づきました。
躁状態の頃は自信満々で、
自分は何でもできると
思い込んでいました。
金づかいも荒くなり、
毎月のクレジットカードの請求が
以前の10倍以上ということもありました。
(BMWを衝動買い、結局100キロと走らず売却
)(ブランド品の時計やバッグを買いあさっていた
)そんな躁状態がしばらく続きましたが、
あるとき一気にパワーが入らなくなり
急にすべてが不安になりました。
たった1日でうつ状態に
逆戻りました。
「なんであんなに
買い物をしてしまったのだろう、、、」
と、後悔する日々の連続でした。
しかし、
あるとき当時のことを振り返り
こう思いました。
「もしも
あの躁状態が続いていたら
サラ金からも金を借りただろうし、
だれにも何も言えずに
大変なことになっていたはずだ。
躁からうつになったことで
動けなくなり、
お金をとめどなく使うのを
ストップしてくれたんだ」
うつが
「休んだほうがいいよ」
っていうメッセージを出して、
ぼくの命を
守ってくれていた
このことに気づいたとき
ぼくは涙が出ました。
今でも書きながら
こみあげるものがあります。
「”うつ君”って、すごいなぁ」
「”うつ君”って、かしこいなぁ」
人生をやめたいとまで
思わせたうつですが
愛おしさすら感じました。
うつ状態のときに
このことに気づいてしばらくしてから、
徐々に
「誰かと会いたい」
「本を読みたい」
「仕事がしたい」
という気力が復活し、
睡眠薬を飲まなくても寝られるように
なっていきました。

【「うつ」がぼくの命を守ってくれていた。】
は、ぼくの本のオビの言葉にもなっています。

今日のブログに書いたことは
この本に詳しく書いています。

実は、
うつも含めた辛さはすべて、
「自分を守る防衛本能」
だという話があります。
例えば、、、
「不安で眠れない」
というのは、
神経を過敏にし警戒心を高め
外敵から身を守るために、
”眠らないプログラム”が働いている
「パニック」
というのは、
叫ぶことで今いる場所や自分が
危険であることを仲間に伝えている
「イライラ」
というのは、
弱いときにだれかにつけこまれないように
臨戦態勢になって自分を守っている
などなど。
人は
「生き延びる」という本能のために、
色々なメッセージを発している
ぼくはこの考えに
とっても共感します。

この下園壮太さんの本に
詳しく載っていてオススメです。
学校では絶対に教えてくれない 自分のこころのトリセツ/日経BP社
ということで、
だれかに守ってもらった経験も
とってもありがたいのですが、
自分が自分を
守ってくれていた
これに気づいたことは
とっても大きかったです。
嫌だった自分も認めることができ、
自分のからだとこころの
メッセージを大事にするようになり、
自分と対話するようになり、
自分自身の”ここちよさ”を
かなり大事にするようになりました。
みなさんも
自分の辛かったことが
実は自分を守ってくれていた体験、
思い当たることありますか

こころだけじゃなくてからだもですね。






