『名歌名句辞典』(佐々木幸綱・復本一郎/三省 堂)より選句
阿波野青畝 Awano-Seiha
さみだれのあまだればかり浮御堂
梅雨の長雨が続き、琵琶湖の中にある浮御堂(うきみどう)は、軒先などから滴り落ちる雨水ばかりである。解説によれば、去来の次の句を踏まえているらしい。
The rainy season continues, and Ukimido in Lake Biwako is filled with rainwater dripping from the eaves. According to the commentary, it seems to be based on the next phrase of Kyorai.
去来 湖の水まさりけり五月雨
五月雨(さみだれ)のある句
芭蕉 五月雨を集めて早し最上川
蕪村 五月雨や大河を前に家二軒
子規 五月雨や上野の山も見飽きたり
【浮御堂うき‐みどう】 滋賀県大津市にある臨済宗大徳寺派の寺、満月寺の通称。山号は海門山。琵琶湖上に浮かんだように建てられている。平安時代、源信が通船の安全と衆生済度のために建立したと伝えられる。近江八景の一つ「堅田かただの落雁」で有名。千体仏堂。堅田の浮御堂。(デジタル大辞泉)