『名歌名句辞典』(佐々木幸綱・復本一郎/三省 堂)より選句
高野素十 Takano-Suju
枯蔓に雪柔らかにひつかかり
In winter, snow softly clings to withered ivy.
雪のある句
清少納言 枕草子
雪のいと高う降りたるを 例ならず御格子(みこうし)まゐりて 炭櫃(すびつ)に火おこして物語などしてあつまりさぶらふに 「少納言よ。香炉峰(こうろほう)の雪いかならむ」と仰おおせらるれば 御格子上げさせて御簾(みす)を高く上げたれば 笑はせたまふ。
紫式部 ふればかく憂さのみまさる世を知らで荒れたる庭に積もる初雪
正岡子規 いくたびも雪の深さを尋ねけり
一茶 これがまあついの住処(すみか)か雪五尺
其角 我が雪とおもへばかろし笠の上
宗因 となん一つ 手紙のはしに雪の事