2024.5/12 俳句 飯田蛇笏 炉をひらく火の冷え冷えと燃えにけり | サワラ君の日誌

サワラ君の日誌

僕65歳。隠遁生活。飼い猫14歳ほか。家猫生活。

『名歌名句辞典』(佐々木幸綱・復本一郎/三省堂)より選句

 

飯田蛇笏 Iida-Dakothu

 

炉をひらく火の冷え冷えと燃えにけり

 

昭和10年の作品。冬の初め、囲炉裏を使う準備をした後、火を燃やす。囲炉裏の火は少しで、部屋は冷え冷えとしているよ。

A work from 1933. At the beginning of winter, after preparing the hearth for use, a fire is kindled. There was only a small fire in the hearth, and the room was cold.

 

「炉開き」の日には、茶家では、お茶会を開催したり、禅寺では、説法を行ったりと厳かであるが、作者の家は、人の訪問もなく、細々とした始まりのようだ。

On the day of the hearth opening, tea houses hold tea parties and Zen temples hold sermons, making it a solemn event, but the author's house seems to have had humble beginnings, with no visitors. is.

 

類句

其角 炉開きや汝をよぶは金の事

一茶 炉を明て見てもつまらぬ独哉 

 

練習作 炉を開く今日は年金振込日

 

精選版 日本国語大辞典 【開炉かい‐ろ】  〘名〙 ① 冬期の暖をとるために、室内で炉を使い始めること。京都などでは、陰暦の一〇月一日または同月中の亥の日に行なうのを古くからの風習としたが、地方によって時期を異にする。また、茶家では特に客を招いて茶会を開く。炉開き。⇔閉炉。 ※人情本・恋の若竹(1833‐39)初「明後日連中に開炉があるが」 ② 禅宗で、僧堂の炉を開くこと。古くは陰暦一〇月一日、現在は一一月一日に開く。この日に住持が上堂して大衆に説法する習いがある(開炉上堂)。 ※永平道元禅師清規(13C中)知事清規「開炉。閉炉。臘八。二月半」