2023.2/17 狂歌 細川幽斎 つゝいづゝつわれしゐど茶わん | サワラ君の日誌

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僕65歳。隠遁生活。飼い猫14歳。家猫生活。

『名歌名句辞典』(佐々木幸綱・復本一郎/三省堂)より選句

 

細川幽斎(ほそかわゆうさい) Hosokawa Yusai

狂歌

詞書 太閤秀吉公の御前にて御ひざうのゐど茶わんうちわりける時

つゝいづゝつわれしゐど茶わんとがをばをれがをひしけらしな

Words: A song composed when the treasured tea bowl of Taiko Hideyoshi broke in front of him.

A tea bowl broken into five pieces. I will take responsibility for that.

 

秀吉秘蔵の茶道の茶碗を、誰かが誤って割ってしまった。茶碗を運んできた女性がうっかり落として割ってしまったか。激怒する秀吉を前に、戦国大名の細川幽斎は、とっさにこの歌を披露して、その場を和ました。彼の機転で、秀吉は、すっかり機嫌を直したという。

Someone accidentally broke Hideyoshi's treasured tea bowl. Did the woman who brought the bowl accidentally drop it and break it? Before the furious Hideyoshi, Hosokawa Yusai, a feudal lord of the Sengoku period, immediately performed this song to calm the situation. It is said that his quick wit put Hideyoshi in a good mood.

 

筒井筒(つついづつ)とは、丸く掘った井戸の枠のこと。細川幽斎は、これを、「五つ(いつつ)」と読み替えた。本歌は次の通り。

"Tsutsuizutsu" is the brim of a well in a round shape. Yusai Hosokawa read this as "five." The source of this song is as follows.

 

伊勢物語

筒井つの井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに

After comparing my height to the brim of the well, it seems that I have already passed the brim, without seeing you.

 

【細川 藤孝(ほそかわ ふじたか) / 長岡 藤孝(ながおか ふじたか) / 長岡 幽斎(ながおか ゆうさい)】 戦国時代から江戸時代初期にかけての武将、戦国大名、歌人。幼名は万吉(まんきち)。元服して藤孝を名乗りその後長岡に改姓。雅号は幽斎。法名を玄旨という。(なお幽斎は1573年に長岡に改姓し[3]、1582年に幽斎を名乗り、細川姓に復したのは幽斎死後の忠興の代である。)  初め室町幕府13代将軍・足利義輝に仕え、その死後は織田信長の協力を得て15代将軍・足利義昭の擁立に尽力した。後に義昭が信長に敵対して京都を追われると、信長に従って名字を長岡に改め、勝竜寺城主を経て丹後国宮津11万石の大名となった。本能寺の変の後、信長の死に殉じて剃髪して家督を忠興に譲ったが、その後も豊臣秀吉、徳川家康に仕えて重用され、近世大名肥後細川家の礎となった。また、二条流の歌道伝承者三条西実枝から古今伝授を受け、近世歌学を大成させた当代一流の文化人でもあった。(ウイキペディア)