『書道技法講座48 香紙切』(池内艸舟編/二玄社)より選句、習字
麗花集巻第五
秋下
をのゝ宮のをとゞさ可の二花身尓万可利た利し二
もとす希
あきのゝゝ者ぎの尓しきをわ可やど二し可の年奈可らうつしてし可奈
麗花集巻第五
秋下
小野宮大臣(おののみやのおとど)嵯峨野に花見にまかりたりしに
Ononomiya Right- Minister went to Sagano to see the Japanese bush clover-Hagi blossoms.
清原元輔(もとすけ)
秋の野の萩のにしきを我が宿に鹿のねながらに移してしがな
In autumn field.I want to transplant the Brocade by Japanese bush clover-Hagi and the deer cry in my house.
小野宮右大臣こと藤原実資(ふじわらのさねすけ)は、藤原北家嫡流たる小野宮流。莫大な財産を有する上級貴族であった。
しかし、実資は、財産分与に際し、愛娘の千古に大部分を与え、男子にはわずかしか与えなかった。この時、実資は、アルツハイマー認知症であったという。財産をなくした同家は没落し、影も形もなくなる。
一方、千古は道長の孫である藤原兼頼に嫁ぎ、これにより小野宮流の財産の殆どが御堂流の手に渡った。
小野宮流と御堂流は仲が良いとは思えないが、小野宮流出身の千古は、その財産のおかげで御堂流の家で大切に扱われたのではなかろうか…