10/11(火)  杜審言 和晋陵陸丞早春遊望 | サワラ君の日誌

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僕65歳。隠遁生活。飼い猫14歳。家猫生活。

「新編 中国名詩線選【中】」(川合康三 編訳/岩波文庫)

杜審言(としんげん) 和晋陵陸丞早春遊望

獨有宦遊人   偏驚物候新
雲霞出海曙   梅柳渡江春
淑気催黄鳥   晴光転緑蘋
忽聞歌古調   帰思欲沾巾

獨(ひと)り 宦遊(かんゆう)の人有りて   
偏(ひとえ)に 物候(ぶっこう)の新たなるに驚く
雲霞(うんか) 海を出(い)でて曙(あ)け   
梅柳(ばいりゅう) 江を渡りて春なり
淑気(しゅくき) 黄鳥(こうちょう)を催(うなが)し   
晴光(せいこう) 緑蘋(りょくひん)に転ず
忽(たちま)ち古調(こちょう)を歌うを聞き   
帰思(きし) 巾(きん)を沾(うるお)さんと欲す

〈めも〉
ひとり 任地の異動多き官人は   
とりわけ 季節の変化の新たなるに驚かされる
雲と霞 海のかなたから 朝焼けに染まって 夜が明け  
梅と柳の花 長江を渡って 春となる
うららかな陽気 鶯に歌うよう催(うなが)し   
明るい光 緑の水草に転がる
はからずも 古調(こちょう)を歌うを聞き   
望郷の思い ハンカチを沾(うるお)さんと欲す

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