(その22のつづき)
そのロータリーの手前まで行くと、、、
あれ?
そこには日本人男性が一人、三角座りをしてレースを眺めていました。彼はサイクルジャージを着ていて、その傍らには彼の自転車らしき、ロードレーサーが佇んでいました。
私は、約3日ぶりの日本人に痛く感動し(笑…先程のスタート地点にも一人おられ、話しかけてしまいましたが)、しかも自転車に乗っているのであれば、共通の話題も更に多いだろう、と躊躇なく話しかけました。
向こうも、こんなところで日本人に会うとは、と思ったのでしょう。少々驚きの様子でした。
彼は、残念ながら名前は忘れてしまいましたが、これまた話を聞けば誠に偶然だったのですが、私と同じ大阪出身で、大阪府下の某自転車ショップのチームに在籍しているというのです。
で、年に数ヶ月間はここフランスで定期的に行われる、アマチュア・レースに出場するため、単身渡仏しているのだそうです。
いやー、ホントに凄いレースが好きなんだー、この人はって
フランスは緯度が高い分、日没も遅く、しかも湿度は低く、夏でもこれほど過ごしやすいか!と思うほどの気候、風土、確かにここでレース出来る醍醐味は、私でも容易くイメージ出来ます。
しかも、本日レースが行われている「ノルマンディー地方」は7月でも早朝は「極寒」ですから、しかも日中でもダラダラと汗をかくことは殆どあり得ません。
そこまで、お話を伺い、その後に私はありふれた、超の付くほどありふれた質問をしました。それは「言葉の問題」です。
ちなみに、フランス語は殆ど喋れない、とのことでした。片言のフランス語と英語と、あとはジェスチャーで何とかやっているそうでした。
うーん、なんとも勇気ある行動、、、
でも、恐らくご本人は(私も直接お話しを伺っている時に感じた雰囲気)そこまで自分のそんな行動を特別に凄い、とは思っていらっしゃらないんだろうな、と。ただ好きだから、やりたいから、此処に来ただけ、という立ち位置を感じました。
それは、私がこの度、「ツール・ド・フランスを死ぬまでに一度、生で観戦したい」と思ったから来ただけで、という感覚とほぼ同じだろうな、と思った次第です。
行動する前から、あれやこれやと心配事ばかりして前に進まないより、とりあえず前に進んでみて、何か起こればその時に考えればいい
しかし、実際に初めてしまうと、なんやかんや言いながら物事が凄く上手い具合に進んで行くことがある。それが自分の経験として少しずつ蓄積されていく。
以前にも書かせてもらったとおり、シャルル・ド・ゴール空港に降り立ち、そこからホテルに到着すること、初めて異国の地でレンタカーを借り、初めての「右側通行」の国で車を走らせ、なんとかここまでやって来れたこと。
ホント、結局「為せば成る・・・」なんですね。でもこの言葉の後に続く「成さねばならぬ、何事も」が凄く大事な部分です。とりあえず、行動してある程度の「着地点」を見つけ、降り立たなくてはなりません。ここまでやらないと、ただの「中途半端」になってしまいます。
あれから、1年半、彼はどうしてるだろう。
年齢は恐らく20代くらいだと思います。私も、以前に比べればそこまで自転車に乗ることは無くなったのですが、もしかしたら一度くらいは近所ですれ違っていたかもしれません。
(それくらい、彼と私の地元は近いんですよね、、、)
今日はここまで、(その24)につづく