「させていただく」の使い方

日本語と敬語のゆくえ

椎名 美智

 

 

 

 

 

「いただきます」

 

ご飯を食べる時の日本人ならではの

あいさつ

 

語源を調べると

「いただく」は漢字では「頂く」または「戴く」

「頭上にのせる、かぶる」理解において

「敬意を表して高くささげる

頭上におしいただく」

という敬意を表しての言葉になりますね

 

「もらう」の謙譲語ということで

イメージは身分の高い人から物をもらう際に

敬意を表するためにその物を頭上に高くささげるような

動きからだと思うのですが

それだけ わたしたちが生きるために必要な

「食」に対しての感謝と敬意を忘れないための

日本人ならではの言葉だと思う

 

いただく

という言葉に「崇高」さも感じながら

 

政治家も「いただく」よく使うよね

と言われて手に取った一冊

 

政治家の端くれでありますが

あらためてわが身を振り返ると

「いただく」「いただきます」

使ってますわ!

 

しかも 無意識に

議場で登壇しますと

「質問させていただきます」

「質問の機会をいただきましたので」

「再質問させていただきます」

 

おお・・・いただきますの嵐

しかし

議員だけではない

答弁する執行部も

(議事録を確認しましたが)

「報告させていただきましたとおり」

「研究をさせていただきまして」

「ご意見をいただいております」

 

お互いに 敬意を表しあいしてるのに気づいて

ちょっと笑えましたが

 

「いただきます」

について 歴史とその流れ文化について記されていたので

我が身を振り返る意味で手に取ってみた本です

 

解散する発表について

「解散させていただくことになりました」SMAP

「解散します」と胸を張ったV6

の言い方の違いから

わたしたちの心の内側と言葉がリンクしていることを

記されている良本

 

相手に敬意を表している姿は「謙虚さ」の表れかもしれませんが

むやみに使うと

「謙虚さアピール」にも聞こえたりする

 

わたし自身

無意識に使っておりますので

読みながら ギクッとすることも

あらためて

言葉=言霊と言いますが

どのような気合で臨んでいるのか

意識していないところで発する言葉に現れる

 

政治家が

「させていただく」をよく使う理解も示してあるので

思わずクスッと笑いながら

自問することもある

 

例 「お答えを差し控えさせていただきます」とか

 

わたし自身が違和感を感じているということ

 

言葉は

時間と同じく新しく移ろい行くものでありますが

謙虚さをどのように表現していくのか

 

いただきます

を使うのが NGというより

 

いただきます

を言うたなら 「いただきます」の語源になぞらえると

「ごちそうさま」も言わないとね

と思う今日この頃