思いやる心は傷つきやすい

パンデミックの中の感情労働

武井 麻子

 

 

 

感情労働とは

「頭脳労働」や「肉体労働」と並ぶ働き方の種類になりますが

労働者が感情をコントロールし抑える必要がある労働

 

知識を得てそれを使う頭脳

鍛えられた体が資本の肉体

そして 誰しもが持っている感情

 

しかし 感情のコントロールは実に難しかったりしますが

例として 接客業は感情労働になるのかもしれません

 

そして

看護師さんや介護士さんなどは

感情+頭脳+肉体労働でもあります

 

治療と介護 そして 何よりも

患者さんの気持ち(感情)によりそい

的確な判断をしなければならないお仕事

 

そんな中 コロナ禍において

医療従事者の方々のお仕事は

想像がつかないくらい大変な環境で労働をされていたことと思います

お正月休みから 手に取った本ですが

 

新型コロナウイルスが蔓延する状況の中

医療従事者の人々はどのような体験をされているのか

感情労働やトラウマの観点を取り入れながら

この危機とこれからの時代を生きていくのか

医療従事者の方々の仕事の向き合い方を記された本

 

わたしたちもですが

コロナ禍において

いまだかつてない「恐怖」と「不安」を経験したと思う

 

それは

いつしか「トラウマ」にもなりつつある

 

感染とは

①ウイルスそのもの

②不安と恐れ

③差別 偏見 嫌悪

 

いずれも 目に見えないもの相手なんですね

わたしたちは かれこれ2年も

目に見えないもの相手にしております

 

そして

感情も 目に見えないものなんですね

 

コロナに感染していなくても

違う意味で感情が感染していることもあることに気づく必要が

あると思う

 

それは

トラウマという傷ついた心が引き起こすものだと思いますが

傷つくと守ろうとするのは

心理的には誰しもがありうること

わたしもそうするだろう

 

その自己防衛が誰かを攻撃するようなことであることが

悲しいワケでして

トラウマの克服法が

医療従事者の視点から書かれている

 

例えば

感情を言葉にするのが苦手な時があります

 

それを「甘え」と捉えられる場合があります

何度も書きますが

誰しも「感情」はございますので

吐き出す場 そして

それを受け止めてくれる人(場)は必要

 

特に 弱音を吐くことは

わたしも大事だと思っています

 

最近 様々な場で講演会をさせていただいていますが

なぜか

うける

というか

聞いてくださる方が目をキラキラさせて聞いてくださるのが

わたしの

「へたれ」話

所謂 失敗談とか弱音 トラウマ

 

これは 共感なんだと思うんですよね

 

時に

「政治家として 弱音吐くな」

とお叱りを受ける時もありますが

 

根性論の時代ではないと思う

自分が頑張ってきたから

お前も頑張れ

という意味だと思うのですが

 

頑張ってきたから弱音吐くのではないかと思う

 

それよりも

誰しもが言えないけど 心に抱えている

傷ついた心や弱音

 

それと似たような経験をした人が

話をしてくれると共感という癒しが生まれてくるものだと思う

 

それと同じで

医療現場の方々も

そうした しんどさを吐き出し受け取る場が必要

または そんな場面を許す必要があるということ

 

ケアする人のケア

はわたしにとっては必要だと思う中

いい本に出会えました