ネガティブ・ケイパビリティ

答えの出ない事態に耐える力

帚木蓬生

 

 

 

ネガティブ・ケイパビリティ

不確実なものや未解決のものを受容する能力を記述した言葉

日本語にすると ↑の理解になるそうですが

 

 

本のサブタイトル

「答えの出ない事態に耐える力」

とは

まさに 長引くコロナ禍の真っただ中である現在

そして

緊急「事態」宣言を経験したわたしたちが

学んだ「事態」について

改めて検証する意味で手に取ってみた一冊です

 

大阪では

非常「事態」を示す「赤信号」が点灯

外出自粛が呼びかけられている

 

事態とは「成り行き」のことですが

 

自分の思い通りにいかない場合

こんなはずではなかったと 

どうにか修正できないものかと必死に考え行動を起こす

 

本書の中に

戦争では、指導者は踏みとどまって一考も再考も三考もすべきだった。

ネガティブ・ケイパビリティが完全に失われていたから、戦争になった。

という文がありましたが

 

時に 無理強いは 逆効果であることをこれで学べた

 

日本には「忍耐」という日本語を美徳としていますが

ネガティブ・ケイパビリティ という言葉の理解には

忍耐が近いのかな?とも感じる

 

お釈迦さまは

「苦しいときに忍耐せよ」仰い

忍辱・忍耐を幸せの花が咲く6つの善い種の一つと説かれ

それらの種を

「撒きなさい それが幸せの種です」

と説かれている

 

失敗したり

挫折したり

思い通りにいかないことが

人間の優越を作るものではないと思う

 

事態を理解するには

時間はかかる

「答えの出ない事態」がスタンダードである昨今

新しい生活様式を送るわたしたちには

ネガティブ・ケイパビリティが叫ばれる意味がなんとなくわかる

 

その中で生まれてくるものは

批判や誹謗中傷ではなく

誰しもが 耐え忍んでいることを理解する共感性を育てること

 

そして 原因となる対象のものと

向き合う忍耐力

 

わたしはせっかちな部分がありますが

結論を急がすというのも精神的に楽になれることを学んだ

 

全国で 医療機関がひっ迫をしている今

わたしたちにできることは

ネガティブ・ケイパビリティかもしれません

 

議案調査の合間合間に

じっくりと読んでみました