あゝ野麦峠

ある製糸工女哀史

山本茂実

 

 

 

あゝ野麦峠

このルポルタージュは何度読んだことだろうか

 

昭和43年に 出版された

山本茂実さんのルポルタージュ

明治の「富国強兵」の時代を支えた

飛騨の工女さんの姿を

明らかにした一冊です

 

野麦峠とは

岐阜県高山市と長野県松本市にまたがる

昔で言う飛騨と信州を結ぶ街道の峠ですが

その道中は山々がそびえたち

危険な街道としても知られていました

 

かつで わたしは若い頃

バス会社に勤務しておりまして

所謂 バスガイドしておりました

 

国道41号線の旅は人気でしたので

(飛騨高山や下呂温泉など)

バスの中では 必須だったのが

「野麦峠」を説明することでした

 

その昔 飛騨の貧農の娘さんたちは

野麦峠を超えて信州の制糸工場に働きに出かけていました

今のように交通のアクセスがある時代ではないので

飛騨信州を結ぶ 最短ルートである

危険な野麦峠を歩いて超えていくんですね

 

明治と言えば 富国強兵策で

外貨を稼いで軍備増強を担ったのが

生糸でした

農家の養蚕によって繭を原料に

若い娘さんたちがそれを紡ぐ

 

しかし その労働条件は厳しく

粗末な寄宿舎で寝起きし

ろくに休みもなく 1日12時間以上の労働

 

その厳しい労働に耐えかねて

逃げ出したり 自殺したりする娘さんもいたとか・・・

 

日本の過去は そんな女性たちに

支えられていたことを忘れてはならない

ということで このルポルタージュは存在していると思う

のちに 大竹しのぶさん主演で映画化にもなりました

 

当時の工女さんたちは

見えないところで日本経済を底辺から支えていたことを

忘れてはいけない

 

外国人労働者の受け入れを拡大する法案が焦点となっていますが

 

外国人の労働者の

過酷な労働条件が明るみになりましたね

 

違法な長時間労働

人権侵害・・・

厳しい労働条件に加え

暴言を吐かれる

 

自殺した方や病に倒れる人もいるそうです

彼彼女たちは何のために働きにきているのか

 

 

忘れちゃったのか!

過去 どんな日本だったのか!

 

反省して検証したからこそ

同じことは繰りかえさないはずなのに

 

検証してないということなのか

また 過去と同じことしますか?