友だち幻想

人と人の〈つながり〉を考える

菅野 仁

 

 

 

「はじめに」 こう記されています

 

身近な人との親しいつながりが大事だと思っていて、
 そのことに神経がすり減るぐらい気を遣っている。
 なのにうまくいかないのは、なぜなのでしょうか。
 友だちが大切、でも友だちとの関係を重苦しく感じてしまう。
 そうした矛盾した意識をつい持ってしまうことはありませんか。
 こうした問題を解きほぐして考え直すためには、
 じつは、これまで当たり前だと思っていた 『人と人とのつながり』 の常識を
 根本から見直してみる必要があるのではないかと私は思うのです

 

2008年の本です

もう 10年前の新書

手に取ってみました

 

それが「今」爆発的に売れ始めているとか!

 

なぜ「今」なのか

 

人間の関係性を「社会学」を通して見ることができます

 

わたしが 就学した頃

「1年生になったら」

という童謡がよく歌われていました

 

♪ともだち ひゃくにんできるかな♪

 

小学校に入学したら

100人の友人を作り

100人(自分を入れると本当は101人)で

仲良く楽しいことをやりたいよね〜という歌詞

 

幼いわたしは

「仲良くしないと友達100人できない」

と純粋に思ったわけでして

この時点で

 

自分を分かってくれる 誰とでも分かり合える

という思考と同時にですね

分かって欲しい 理解して欲しい

という期待を他者に持ってしまうものです

いかに単純で 楽な考え方だったのか(笑)

 

これを「友達信仰」とでも言いましょうか

 

本書では タイトルが

「友だち幻想」

となっているのが 実にユニーク

 

「自分のことを百パーセント丸ごと受け入れてくれる人が

この世のどこかにいて、

いつかきっと出会えるはずだ」

という考えは、はっきり言って幻想です

@本書より

 

いつも仲良しグループだけど

実は 緊張感を持った関係性だと

どうなんだろう?

 

それは 子供の間だけではなく

大人の世界でもあります

 

わたしも多いにそのような経験あるんですが

仲良くしてたつもりでも

どこか 相手を異常に気にしながらいると

実は楽しいはずが 疲れているとかね

 

額面通りの「仲良し」

 

ホントはどうなの?

 

不登校のお子さん

のお話を聞くと 意外とこの傾向あるんですね

 

気を使いすぎて疲れて離れる

 

カサンドラ症候群の方もです

 

気をつけないといけないのは・・・

仲良しこよし間での 同調圧力

気が付かないうちに

ずっと仲良くいたいがために

無意識に圧力をかけてしまうと

一人・・・また一人と 去っていく人もいる

 

子供や学生さん向けの本ではなく

わたしたち 大人も

人間関係性を見直すことができると思う

 

疲れるのは どうしてでしょう?

 

違いを認め合うのは

ホントに難しい!!

 

同調圧力をかけていないか

立ち止まる必要がある

 

逆もしかり

同調圧力に流されていないか・・・

↑これ 所謂 忖度ですね

これ「仲良し」じゃないから!

 

「国会で誠実に答えたい」

という方がいますが

 

友だち幻想 読まれてから答弁していただきたい

 

今だから とても必要な本

 

楽(らく)しても 楽しくない

という 言葉が本書に出てきましたが

 

同じ 「楽」なのに この違いがユニーク

 

楽して得られる楽しさはタカ知れていて

むしろ苦しいことを通じて初めて得られる

楽しさの方が大きいことがある

 

なるほど・・・

人間関係もですね同じ

 

仲良しは 素晴らしい!

だけど 実は難しい!!

だけど 今だから 

立ち止まり考える必要がある時代なのかもしれません

 

依存から

自立へ・・・

 
一人一人の個性が自律する必要性がある
時代だからこそ この本が時を超えて
注目されているのだと思う