この「連載プレイバック」は
1982年7月8日から1989年9月28日まで
雑誌「スコラ」に掲載された
笑人間を加筆訂正したものです。
本日は1986年3月27日 笑人間
「パワーズ」(#52)中編です。
テーマ: ある日、突然・・・・・・おもしろくなったパワーズ
(本文)
パワーズという若いコントが
私(※澤田隆治)の前に現れたのは、
コント山口君と竹田君がやっと世に出た時だったから、
そんなに新しいわけではない。
コント山口君と竹田君も突然面白さがやってきた笑人間で、
そのおもしろさに出会うまでに“苦節”というものがあったとするなら、
山口君の場合だけで、竹田君はそのあとからくっついて歩いていたら
おもしろさも勝手についてきたというぐらい
ラクな道を歩んでスターになってしまった。
苦労があるとすればこれからかもしれない。
パワーズは、最初から妙に達者で、
行儀もいいし熱心にケイコもするといった具合で
みんなからかわいがられるコンビだったが
私(※澤田隆治)にはちっともおもしろくなかった。
私(※澤田隆治)だけではない、客もあんまり笑っていなかったのだ。
お笑いタレントのおもしろくないというのは困ったもので
「どうでしょうか」と二人が私(※澤田隆治)の前に
直立不動できくので、思わず
「おもしろくないなァ、おもしろそうなんだけどおもしろくない。
どうしたらおもしろくなるかなァと考えて悩んでしまった」と正直にいってしまったほど、おもしろくなかったのだ。
つづく
澤田隆治