澤田事務所管理人が更新します。
この「連載プレイバック」は
1982年7月8日から1989年9月28日まで
雑誌「スコラ」に掲載された
笑人間を加筆訂正したものです。
本日は1985年3月28日 笑人間
「ナポレオンズ」(#40)前編です。
テーマ:これからの成長がたのしみなマジック・ナポレオンズ
(本文)
日本人が外国のステージでスポットライトをあびる時、
最もカッコよくみえるのは、男なら羽織・ハカマ、
女ならもちろんキモノスタイルであることはいうまでもない。
日本でみればすばらしいスタイルで
タキシードやイブニングを着こなすスター達も、
外国でみればそれほどでもない。
まして、フツーのタレントの洋服姿は
とてもステージの上でみれたものではない。
くやしいがこれはまだ西洋文明を身につけて
百年しかたたない日本民族のレベルなのであって、
タレントの責任ではない。
「みっともないねェ」などと批判する資格は日本人にはないのだ。
もはや日本における日本人が
キモノとすっかり縁のない生活をしていて、
ヤングといわれる世代のほとんどが
キモノを自分ではきれなくなってしまっている。
まもなく日本人は、キモノを外国人のように
珍妙に着ることしかできない民族になって
しまうに違いないのだ。
しかし、今のところ外国でのキモノスタイルは、
男も女も、日本人の体型の欠陥をおぎなって
あまりあるくらいすばらしいコスチュームなのだ。
そんなわけで私(※澤田隆治)が
去年ラスベガスのステージでマジックショーを公演した時、
日本ではバタくさい芸名をつけて少しでも
マジックの神秘さを出そうとしている
ミスターマジック・SAKOH&SAYOのショーは、
日本趣味まるだしという感じで演出したのだ。
SAYO さんは日本舞踊の名取りだからキモノスタイルの美しさは、
オリンピックなら10、10、10という感じだったし、
SAKOHさんがいつになく堂々とみえ
私(※澤田隆治)を安心させてくれたのも
ハカマのおかげだったのかもしれない。
つづく
澤田隆治