澤田事務所管理人が更新します。

 

 

この「連載プレイバック」は

1982年7月8日から1989年9月28日まで

雑誌「スコラ」に掲載された

笑人間を加筆訂正したものです。

 

 

 

本日は1985年1月24日 笑人間

「コント山口君と竹田君」(#38)前編です。

 

 

 

テーマ:新しいお笑いタレントを発見すると私はいつも幸せな気持ちになる

 

 

 

(本文)

この人からの電話は、月曜の朝8時、

『ズームイン!朝!!』を

みているとかかってくる。

 

 

毎週のことではないが、時々かかってくるのだ。

 

 

 

朝早くかかってくる電話は、ロクな電話ではないから、

急いで受話器をとると、「林です。きのうのテレビ、よかったですぞ」

 

 

 

 突然耳にとびこんでくるセリフがいつもこれだ。

「モシモシ、澤田ですがど…」(どちらの林さんですかの〝ど〟なのである。)

 

 

「ハヤシです!!!」(この迫力はもうあの人しかいない。)

 

 

「あ、どうもお早うございます。」

 

 

思わず直立不動の姿勢になる。

この人こそ芸能界の首領(ドン○ルビ)、

あの吉本興業の林正之助会長なのである。

 

 

 

「こないだの文珍、おもしろうみせてくれて、おおきに。

あんたはいろいろ考えて、ようやりまんなァ。

たった一人で番組つくって、安うあげてからに。

うちの会社へようけ払うて下さいよ」

 

 

「いや、あの、ありがとうございます。

安うあがってるようにみえてますけど、

しかけに金がかかってますねん。それに吉本には…」

 

 

 

「それにまた、きのうのは新しいコントみせてくれて、

おおきに。あれよろしいで澤田はん。」

 

 

 

「そうですか、コント山口君と竹田くん、会長の目にもよろしいですか」

 

 

 

「まだまだこれからやけど、あれはよろしい、

もうネタぎれかと思ってたら、いろんなのさがしてきますな。

あのコント、しっかり育てておもしろいもん、またみせて下さい。」

 

 

 

つづく

澤田隆治