この「連載プレイバック」は

1982年7月8日から1989年9月28日まで

雑誌「スコラ」に掲載された

笑人間(※著者:澤田隆治)を加筆訂正したものです。

 

 

本日は1983年(昭和58年)1月13日 

笑人間「香川登志緒」

(藤田まこと,白木みのる)(#13)前編です。

 

 

テーマ:「てなもんや三度笠」のコンビひそかに復活」

 

 

(本文)

 文化祭のシーズンである。

東京のある大学の文化祭で

必要なので教えてほしいと、

学生から電話がかかった。

 

 

「あの古典的名作といわれる

’’てなもんや三度笠’’のことでききたいんですけど……・」

 

 

「もはや古典的ですか」

 

 

「’’てなもんや三度笠’’の

’’てなもんや’’と’’三度笠’’の間に

びっくりマークのようなものは

入るのですか」

 

 

「いいえ、そんなものは入りません」

 

 

「構成のカガワトシオは・・・・・・」

 

 

「香川登志緒さんは構成ではありません。脚本を書いたのです」

 

 

「あ、そうですか。で、構成は誰ですか」

 

 

「’’てなもんや三度笠’’はコメディですから、

構成ではなくて、つかこうへいさんのように、

作さんです」

 

 

「カガワトシオのトシオはひらがなですか」

 

 

「違いますよ、登山のト、

ココロザスのシ、

糸へんに者と書くオでトシオ、

香川県の香川」

 

「エッ、香川県のカガワですか」

 

 

 どうやら全面的に字を訂正したようである。

 

よくぞきいてくれた。

 

ヘンな字をあててあるのを姓名判断の

達人である香川さんがみたら

気にするに違いないから。

 

つづく