この「連載プレイバック」は

1982年7月8日から1989年9月28日まで

雑誌「スコラ」に掲載された

笑人間(※著者:澤田隆治)を加筆訂正したものです。

 

 

本日は1982年(昭和57年)12月9日 

笑人間「ザ・ぼんち」(#11)後編です。

 

 

テーマ:「私がザ・ぼんちを好きになったとき」

 

 

(本文)

仕事が終わって紳助・竜介と

ザ・ぼんちと一緒に飲む機会があった。

 

 

紳助が「ボクは学校の勉強、あまりせんかったけど、

一寸やれば一番になる自信、あった。

そやから勉強せんと遊んどった」

といかにも紳助らしいことを言った。

 

 

 するとザ・ぼんちのおさむが

「ボクは学校を休んだことありません。

塾にも行きました。1日も休まずに、

でも授業の内容はなにも判りませんでした。

だから成績ようなかった」

と真面目な顔で言った。

 

 

竜介が思わず

「ホンマのアホやないか」と

叫んだら、おさむが「コラッ」と

いうなり立ち上る。

 

 

まさとが「まあまあ、怒らない怒らない」と止めると

「竜介、俺がホンマにアホやと思うとるんやろ」

「思てる」「それでええねん」で

大笑いになったっが、私(※澤田隆治)は

この時に、ザ・ぼんちが好きになったのだ。

 

 

 ザ・ぼんちの、漫才師には珍しいくらい正直で、

誠実で、人をだしぬこうという精神の全くないところは、

生まれつきのもので、これはひょっとしたら

芸人としては欠陥になるかもしれない。

 

 

しかし、そんな芸人がいても

いいのではないか。

 

日本武道館でのライブ盤のラストに

入っているザ・ぼんちのメッセージも言っている。

 

 

「ほんとに有難う。また来て下さい。

もし結婚しても、旦那さん、奥さんと、

子供が出来たら子供さんと一緒に、

ザ・ぼんちを見に来て下さい。

その頃はもう少しマシになっていると思います。

 

ホントに有難うございました。

 

 

おわり