この「連載プレイバック」は
1982年7月8日から1989年9月28日まで
雑誌「スコラ」に掲載された
笑人間(※著者:澤田隆治)を加筆訂正したものです。
本日は1982年(昭和57年)12月9日
笑人間「ザ・ぼんち」(#11)中編です。
テーマ:「私がザ・ぼんちを好きになったとき」
(本文)
なぜ、ザ・ぼんちがあれほどの人気を得たのか、
専門家と称する人達の誰に聞いても
理論的に分析できない。
正直なところ私(※澤田隆治)にも判らないのだ。
初めてザ・ぼんちに会った時、
あんな大柄なコンビは
とてもアイドルになるまいと
思ったが、あの大柄の二人だから
大きなステージで映えたのだ。
バーゲンの世界にいたアイビールックで
登場した舞台をみた時は、TシャツのB&Bや
つなぎの紳助・竜介にくらべて、
なんと標準的なスタイルなのだろうと
思ったものだが、これがどちらかといえば
老け顔のザ・ぼんちを若くみせるのに役立った。
二人とも結婚していて父親ですらあった。
このこともザ・ぼんちの誠実さの印となった。
そんなザ・ぼんちが、1981年(昭和56年)の
正月からあれよあれよという間に日本中の
人気者になり、圧倒的な票数で
一万人が選ぶ花王名人大賞の
最優秀新人賞に輝いた。
私(※澤田隆治)にはとても信じられないことだった。
つづく