この「連載プレイバック」は1982年7月8日から1989年9月28日まで
雑誌「スコラ」に掲載された笑人間(※著者:澤田隆治)を加筆訂正したものです。
本日は1982年9月9日 笑人間「コント赤信号」(#5)前編です。
テーマ:「スケールの大きい未知数が楽しみ、コント赤信号」
(本文)
東京は渋谷の道玄坂に「ヌード寄席 道頓堀劇場」という小さな劇場があるのを
御存知だろうか。
ステージではさまざまな趣向をこらしたヌードショーがあり、
その合間にコントが登場する。
と書くと戦後のストリップ劇場と同じような構成だが、
ストリッパーのステージでの演技のハードさが全く違うので、
その間に登場するコメディアンの役割のむつかしさは、
かつてのストリップ劇場のコメディアンとは比較に
ならないほどハードなのだと思う。
そのせいか、ある時期ストリップ劇場はコメディアンの道場であり、
由利徹・八波むと志・南利明・渥美清・関敬六・谷幹一・
長門勇・東八郎とみんなこの道場で
鍛えられテレビで花開いたのに、
ストリップが変わったこの15年ほどの間には、
名のあるコメディアンは一人もこの道場から生まれていないのだ。
つづく
澤田事務所管理人