この「連載プレイバック」は1982年7月8日から1989年9月28日まで
雑誌「スコラ」に掲載された笑人間(著者:澤田隆治)を加筆訂正したものです。
本日は1982年8月12日 笑人間「春風亭小朝」(#3)中編です。
テーマ:小朝が2週間で6kg痩せた
(本文)
去年(※1981年)の5月フランスはパリでの日本航空主催の「小朝独演会」を、
山本益博さんがレコードにしようと同行することになり、「小朝よりパリにて」、
落語とパリのおしゃべりという楽しいレコード出来上がったが、食べることには
命がけの山本益博さんの案内で本場のフランス料理からお菓子まで「旨い旨い」と
食べまくって、二人共パンパンにふくれ上がって帰ってきた。
根が食べるのが好き、そこへ食べたものが全部身につくという体質とみた
私(※澤田隆治)は、小朝君に「お前さんの噺に出てくる女がみんな京塚昌子さん
みたいなイメージになってしまうよ、せめて夜中に食べるのをやめたら」と会うたびに
言ったが、その小朝君が小さくみえるほど太っている私(※澤田隆治)が言ったのでは
ききめもないだろう。いつかな痩せる様子もない。
忙しいし、ゆっくり食事をするのが深夜、深夜あいているといえば焼肉の店、
ここで目一杯食べていて痩せるわけはないのだ。
去年(※1981年)の夏、京都南座で満員の客を集めた「爆笑!漫才顔見世」を
「花王名人劇場」で収録するために南座の舞台裏と客席を走りまわっていた
私(※澤田隆治)は、ギックリ腰を再発させてしまった。
油汗を流しながら東京へ帰ってきて飛びこんだのが表参道にある三宅指圧センター。
すると小朝君も引越しの時腰を痛めたとかで治療にきていた。
小朝君は簡単に治ってすぐ通わなくなったが、私(※澤田隆治)のはかなり長びいた。
この三宅指圧センターの先生は’’時二朗’’という。
つづく