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肉好きの経済思想誌

肉好きの男による経済思想誌

おはようございます。

今日も大阪都構想の話です。

大阪都構想:知っていてほしい7つの事実
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/01/27/fijii/

からの紹介です。

【事実1】今回の住民投票で決まっても,「大阪都」にはなりません。

はい、都構想の話と言ったそばから都にはならないという話です。

これは名称の話で、今回の住民投票の結果がどう転ぼうとも、大阪府は大阪府のままです。

・・・なんでやねん

なんでかというと、それはやはり【事実2】を読んで頂くとわかります。

ということで

【事実2】今の「都構想」は,要するに「大阪市を解体して五つの特別区に分割する」ことです.

「大阪市を解体」

結構ショッキングなフレーズですよね。
「大阪都構想の是非を問う」と、
「大阪市解体の是非を問う」では
ずいぶん印象が違ってきます。

印象どころか、そりゃあ話が全然違うだろうと思われる方もいらっしゃると思います。私もそう思います。

今回の住民投票の目的は、「二重行政の片一方である大阪市を解体、消滅させることで二重行政を解消する。」というものです。

ちょっと横着が過ぎると思いませんか?

二重行政の解消というのは、つまりは経費削減です。
経費削減のために市を一つ潰そうというんです。

しかも、過疎などで存続が難しい小規模市町村ではなく政令市です。
日本第2位の人口を誇るビッグシティーです。

大阪市の歴史は100年以上あるそうです。
でも経費節約のために潰すんだそうです。

なんか、価値観壊れてますよね。完全に虚無ってますよ。虚無力高い系です。

虚無力で言ったら中東で遺跡を爆破してる人たちと良い勝負ですね。

いや、あの人たちだって自分の信念を主張するために命がけでやってるのであって、経費削減のために歴史あるものを壊そうなんて思わないでしょう。

これは相当虚無力高いですよ。
スカウターボンッ!ですよ。

そう言えば橋下市長は以前、伝統芸能の文楽について、

「ラストシーンが物足りない。グッとくるものが無い」
「人形劇なのに人間の顔が見えて来る。見えなくていい」

などと言ったあげく、補助金をカットしたということがありましたね。

恐らく、歴史、伝統などに全然興味が無いのでしょう。

でもそんな人が支持されてしまうんですね。
大阪の経済的な疲弊により、人心も疲れ切ってしまっているのでしょうか。

付け入れられますよね。弱ってる時は。


大阪都構想を推進しているのは大阪維新の会という人達ですが、維新というのは当然、明治の大改革、明治維新から来ているわけです。

では、明治維新とは何であったのか。

明治維新は、大政奉還・廃藩置県・廃仏毀釈・西洋風の憲法の制定など、それまでの国の在り方を根底からひっくり返すような過激な改革でした。

当然大きな混乱を生み、文化・伝統も毀損されました。

幕末の志士達はなぜそんなことをしたのでしょうか。

それは、一国の独立を保つためです。

当時、欧米列強の勢力がアジアを被い尽くそうとしていました。

アジア諸国は日本と清を除き、ほとんどが欧米の植民地になっていました。

そして遂に、アジアの雄であった清までもがイギリスに(アヘンを買わなかったという理由で)ボコボコにされるという事件が起こります。

日本は大急ぎで近代化(欧米化)を果たさなければ、生き残ることが出来なかったのです。
国の存亡をかけた、苦渋の決断だったんですね。

それに比べて大阪市を潰す理由は何だったかというと、

経 費 削 減  です

坂本龍馬が聞いたら何て言うでしょう。

きっとこう言うんじゃないですかね。


えっ、しょぼ、、、


今日はこのへんで。

大阪市消滅確定まで あと31日

次回は
【事実3】年間2200億円の大阪市民の税金が市外に「流出」します.
【事実4】流出した2200億円の多くが,大阪市「外」に使われます.

を紹介します。



大阪都構想が日本を破壊する (文春新書 1020)

フジイサトシドットコム「大阪都構想」を考える~権力による言論封殺には屈しません~
http://satoshi-fujii.com
一昨日は20時に寝落ちしてブログを更新出来ませんでした。。。

さて、大阪都構想について書こうと思います。が、これから書くのはほとんど全て、藤井教授のが発信されている情報の紹介です。

私独自の情報や考えなど有りませんから、既に藤井教授の著書、HPなどをよくよくご覧になっている方は読み進めても面白いことは無いです。蛇足はありますが、、、

「都構想ってやつが未だにわからん」
とか、
「藤井教授って毎日色々書いてるけど、何処から手をつけたら良いかわからん」

といった方には取っ掛かりくらいにはなるかもしれません。

私が参照する情報元は基本的に以下の2つだけです。


大阪都構想が日本を破壊する (文春新書 1020)
4/6に緊急出版された、都構想を網羅的に解説した本です。
これをよめば都構想が(如何に論外かが)わかる!

フジイサトシドットコム「大阪都構想」を考える~権力による言論封殺には屈しません~
http://satoshi-fujii.com
「大阪都構想 :知っていてほしい7つの事実」発表後の橋下市長の特徴的な行動を受けて立ち上げられたサイトで、藤井教授がこれまで発表されてきた原稿やYouTube動画がまとめられています。

もう前置きが大分長いですが、まずは「大阪都構想 :知っていてほしい7つの事実」から、ひとつずつ紹介して行きたいと思います。

今日は、

【事実0】今回の住民投票の対象者は,「大阪市民」だけです.「府民」は投票できません.
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/02/03/fujii-129/

です。

皆さんご存じでしたか?(私は知りませんでしたよ)

今回の住民投票は、こんな風に喧伝されることがしばしばあります。

「5/17に、大阪都構想を実現するかどうかを決める住民投票が実施されます」

こう言われたら、大阪府全体の住民投票だと思いますよね。

でも大阪市民だけなんです。

なんでやねん。

なんでかというと、それは【事実2】まで読んで頂くと分かります。

今すぐ知りたい!という方はこちら
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/01/27/fijii/

今日言いたいのは、住民投票って怖いなぁと言うことです。

【事実2】は、かいつまんで言うと

「5/17に行われるのは大阪市を無くすかどうかを決める住民投票です」

と言うことなんですが、そんな大事なこと大阪市民だけで決めて良いんでしょうか?

大阪市外の人でも、大阪市に愛着を持っている人もいるかもしれません。
(藤井教授はその一人であると仰っています。)

今は住民票を持っていなくても、かつて大阪市で生まれ育った人もいるでしょう。

その人は、自分の生まれ故郷をが無くなるかどうかの意思決定に参加することは出来ません。

さらに言えば、大阪市で先人が積み上げてきた歴史や、これから生まれ、育まれて行く未来の可能性について、現代の大阪市民だけで責任ある意思決定が出来るのでしょうか。

さらに怖いのは、「住民」というのは、行政の専門家でもなんでもない、日々の忙しい生活に追われる一般人です。

ですから、都構想の詳しい中身なんて、当然わからない人が多いわけです。

なので、名前の売れた、声の大きな人がテレビやツイッターで都構想都構想とスローガンを繰り返すと、なんとなく良いもののような気がしてきてしまいます。

怖いですね。もし、悪意を持って住民を騙そうとする輩がいた場合、住民側に、「有名人とスローガン」に対抗する術はあるのでしょうか。

え?バカにするな?大阪市民はそんな簡単に騙されない?

そうかもしれませんね。そうだと良いのですが、、、

清少納言が枕草子でこんな歌を詠んでいます。

夜をこめて
 鳥の空音を謀るとも
  よに逢坂の関はゆるさじ

「夜をこめて」というのはまあ、「一晩中」とかそんな感じです。
「鳥の空音を謀るとも」これは、「鳥の鳴き真似をして騙そうとしても」と言う意味です。

「鳥の鳴き真似」ってのは、つまりツイッターですな。

「一晩中 ツイッターでデマを拡散しても」
  よに逢坂の関は許さじ

逢坂の関は今の滋賀県のあたりですが、
音(おうさか)から大阪の関と読み替えれば、

一晩中 
 ツイッターでデマを拡散しても
  大阪の民意は越えられないよ

と読めるわけです。だと良いですね。

しかし、この歌に対する返歌で、藤原行成はこう詠んでいます。

逢坂は
 人越えやすき関なれば
  鳥鳴かぬにもあけて待つとか

これ、完全にセクハラだろと思うんですが、それはさておき、
さっきと同じように訳すと

大阪は
 民意が流されやすいので
  ツイッターをするまでもなく
   むこうから騙されてくれるとか

ひどい言われようですね。

さて、大阪市の皆さんは小納言の詠った大阪と行成の詠った大阪、どちらの大阪でしょうか。

でも大阪に限らず、どうしても「人越えやすき関」になってしまう傾向が、人間にはあるのではないでしょうか。

それを防ぐためには、「大阪の関は許さじ!」の気概を持って、ノリや空気ではなく事実を冷静に受け止めていくことが大事ではないかなと思います。

それでは今日はこの辺で。

次回は

【事実1】今回の住民投票で決まっても,「大阪都」にはなりません.
【事実2】今の「都構想」は,要するに「大阪市を解体して五つの特別区に分割する」ことです.

を紹介します。




大阪都構想が日本を破壊する (文春新書 1020)

フジイサトシドットコム「大阪都構想」を考える~権力による言論封殺には屈しません~
http://satoshi-fujii.com
最近、大阪都構想に関連して、京都大学大学院の藤井聡教授が度々ニュースで取り上げられるようになりました。

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(産経WEST)【ヘドロチック発言】藤井教授がヒトラー引き合いに橋下氏批判「公権力による言論封殺だ」「風刺”としてヘドロの比喩」
http://www.sankei.com/west/news/150206/wst1502060101-n1.html

(zakzak)橋下市長vs京大教授、泥仕合 議論は都構想の政策論から脱線 罵り合い…
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150212/dms1502121529009-n1.htm

(産経WEST)「京大をなめてもらっては困る」 藤井教授、改めて大阪都構想を批判
http://www.sankei.com/west/news/150301/wst1503010061-n1.html
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ここで気になるのが、藤井教授が大阪都構想反対派の急先鋒として、過激な発言をするオモシロ教授として取り上げられている節があるということです。

しかし、そうじゃないんです。

藤井教授はそういう人ではないんです。

藤井聡という人は、私は少し面識が有るのですが、この人は、武士ですね。侍なんです。
本当に立派な人です。こういう人は大事にしないといけないですね。

藤井教授は京都大学大学院の教授で、内閣官房参与(政府のアドバイザー)も勤めています。

それで、参与として政府の中で何をしているかというと、この人は今、国土強靭化というのをやってます。
巨大地震や津波で日本が潰れないよう、耐震化、津波対策、防災教育を進めていこうという取り組みです。

藤井教授は著書で
「恐れずに、「巨大地震によって、この国が如何にして潰れるのか」をイメージせよ 」
(巨大地震〈メガクエイク〉Xデー 南海トラフ地震、首都直下地震に打ち克つ45の国家プログラム)

と仰っています。こういう覚悟で仕事をしている人なんです。


藤井教授は2011年3月11日の東日本大震災から2週間も立たぬ間に、

「緊急提案 日本復興計画「東日本復活5年計画」と「列島強靭化10年計画」」
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/images/stories/PDF/Fujii/201101-201106/presentation/20110525fujiilab_plan.pdf

をまとめ上げ、国会に提案しています。

【藤井聡】「国土強靱化/アベノミクス」の原点 (H23.3.23.参議院予算委員会・列島強靭化10年計画)
(動画)https://www.youtube.com/watch?v=cu5shJHHbpI
(テキスト)http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/archives/121

私はこの演説を聞いて、藤井教授は現代の武士であると確信しました。

国土強靭化は、まさに国家百年の計。
歴史に残る大事業です。将来教科書に載っても全然不思議じゃないような人なんです。

反対に、もし国土強靭化が頓挫した場合、将来の教科書に日本という国は無いかもしれません。



その藤井教授が、少し前に大阪市の橋下市長にツイッターで粘着されていました。


(togetter)橋下徹大阪維新の会代表と藤井聡氏
http://togetter.com/li/778755?page=1

しかも、藤井教授はツイッターはやっていないのに、ツイッターで粘着されたんです。

斬新ですよね。

橋下市長がどういう人か、皆さん知っていると思いますが、あの人に絡まれたら面倒ですよね。

本当に、災難というか、ご愁傷様です。

でも、藤井教授は、こうなることは分かっていたんです。今まで何人もやられてます。

橋下市長に粘着されると分かっていても、藤井教授には皆さんに伝えなければならないことがあったんです。

マスコミに面白おかしく取り上げられると分かっていても、敢えて強い言葉を使う必要があったんです。

それは、大阪都構想の事です。

今年の5月17日に大阪市を解体して5つの特別区に分割する「特別区設置協定書」の是非を問う住民投票が大阪市で行われます。
大阪都構想を進めるにあたって、大阪市は邪魔なんだそうです。

この住民投票で賛成多数となれば、大阪市はこの世から消えて無くなります。

大阪市は政令指定都市です。日本第2位の人口を誇る大都市です。

そんな大阪市がなくなって、大阪は大丈夫なのか?
日本は大丈夫なのか?

十分な議論がなされないまま住民投票が行われようとしています。

そんな現状を憂いた藤井教授は

大阪都構想:知っていてほしい7つの事実
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/01/27/fijii/

を発表しました。

そして、その日のうちに橋下市長の粘着が始まったんです。

4月12日に行われた地方統一選挙では、大阪府議会、大阪市議会ともに維新の会が第1党を確保しました。

これを有権者の声とし、維新の会はますます大阪都構想に邁進していくでしょう。

私たちはもう一度、大阪都構想について、大阪市の廃止について真剣に考えなくてはいけません。住民投票の後で後悔しても遅いんです。

このブログでも、これから都構想について取り上げて行こうと思います。

しかしその前にまず、藤井聡という人間について知って欲しかったんです。

この現代の武士が、京都大学教授・内閣官房参与という責任ある立場の人間が、なぜこんなにも強い言葉、激しい言葉を発しているのか。

その言葉遣いの意味を、よ~く考えて欲しいんです。

少し長くなってしまいましたが、今日のところははこのへんで。。。


参考

フジイサトシドットコム
「大阪都構想」を考える~権力による言論封殺には屈しません~
http://satoshi-fujii.com

京都大学 藤井研究室 HP
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/


大阪都構想が日本を破壊する (文春新書)


巨大地震〈メガクエイク〉Xデー 南海トラフ地震、首都直下地震に打ち克つ45の国家プログラム