明日からゴールデンウィークですね。
私は実家に帰りますが、実家でもなるべくブロクは更新しようと思っています。
なるべく、、、
さて、今日も大阪都構想の話です。
前々回は、二重行政の効果は一人当たり年間うまい棒2本分しか無いということ。
前回はその効果が現れるのは600年後だということをご紹介しました。
大阪都構想にメリットが無いということがよく分かっていただけたのでは無いでしょうか。
それでは満を持してデメリットの話をしようと思います。
ネタ元はもちろんこちら
藤井教授:大阪都構想(8):「都市計画の力」が失われ、大阪はダメになる
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/03/17/fujii-130/
大阪浮上の最後の切り札、リニア新幹線。
もしリニアが東京ー名古屋と大阪ー名古屋が同時開業(つまり東京ー大阪)すれば、大阪への経済効果は計り知れ無いと藤井先生は指摘しています。
『リニアが大阪同時開業され、18年早く大阪にリニアが開通すれば、大阪府の人口は実に26万人(3.6%)も増え、
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/wp-content/uploads/2015/02/MasRAC_pptx/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%894.JPG
経済規模も年間約1.3兆円(3.3%)拡大するであろうと推計されています。
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/wp-content/uploads/2015/02/MasRAC_pptx/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%895.JPG
「都構想」を推進する方々が推計した財政効果が、現時点で、年間平均で、おおよそ155億円と推計されている事を踏まえるなら(毎日新聞、2014年10月17日)、この1.3兆円という数字は、文字通り桁が2桁も異なる桁違いに巨大な効果です。』
しかし、大阪都構想で大阪市を解体してしまうと、リニアの同時開業が出来なくなるというのです。
『なぜなら、リニア開業ためには、大阪にそれを接続するための「駅」をつくる「都市計画」(あるいは都市整備)が必要なのですが、都構想が実現した後には、そんな「都心部における都市計画」を行う「実力」を大阪が毀損させてしまうことが危惧されるからです。』
今まで大阪の中心部を開発してきたのは大阪市の都市計画局というところが担ってきました。
『100年以上にわたって、大都会のど真ん中で様々な都市開発を行い、ミナミやキタ、アベノ、そしてベイエリアの開発やUSJ誘致のための都市計画調整など、実に様々な都市計画を進めてきた「大阪市」には、都市計画のノウハウ、技術力が、実に多く蓄積しているのです。』
この大阪市都市計画局は、日本中から都市計画のエリートが集まってくる所だったそうです。
国土交通省よりも人気があったとか。
なぜ過去形なのか?今はもう違うからです。
かつては京都大学から毎年10人単位で卒業生を送り込んでいたそうですが、大阪都構想の話が持ち上がったここ数年は一人も行っていないんだそうです。
そりゃそうですよね。
そんなわけで、大阪市の衰退は既に始まっているのです。
大阪都構想のデメリットが始まっていると言ってもいいかもしれません。
それで、大阪市がなくなれば、大阪市都市計画局も当然無くなります。
それじゃあ、これから大阪の中心地の開発は誰がやるのでしょう。
リニアの駅の地権者調整は誰がやるのでしょう。
それは、大阪「府」の都市開発局です。
な~んだ、大阪府にもあるんじゃん、都市開発局。と思ったあなた、そこで安心してはいけません。
『「大阪都」が実現すれば、そうした都市計画は全て、「大阪府」が対応する事になるのですが、大阪府には、そんな複雑な都市計画上の調整を行ってきた「経験」が全くなく、したがって、そのための「ノウハウ」「技術力」をほとんど持ち合わせていないからです。
なぜといって、そうした大都会の都市計画は、これまで全て、「大阪市」が対応してきたのであり、「大阪府」は、郊外の、地権者の権利関係が至ってシンプルな地域での開発しか担ってきてはいなかったからです。』
そう、大阪府は大規模な都市開発はやったことが無いんです。
やったことがあるのは大阪市都市計画局だけ。そして、その都市計画局は無くなります。
当然そこで働いていた都市計画のプロフェッショナルは消えて無くなったりはしませんが、新しく出来る5つの特別区と大阪府に振り分けられ、散り散りになってしまいます。
これではもともとの能力を発揮することは期待できません。
分割・再編をするとはこういうことなのです。
あるいは、そんな大阪に愛想をつかしてよそへ行ってしまう人もいるかもしれません。
さらに、
『さらには、当面の間は、大阪府の都市計画部局が、大阪市の人材を部下として活用する体勢が取られるケースも多発するでしょう。なんと言っても、その組織は大阪「市」ではなく、大阪「府」なのですから、そうなるのは必定です。そもそもこれまでの「会社の吸収合併」の様々な事例を振り返れば、そういう事態は容易に想像できます。
そしてもちろんそうなれば、大阪市のまちづくりの技術力が適切に発揮できないという事態が往々にして発生することになります(部下の自分の方が能力の高いような上司に仕えることほど、無駄なことは無い、ということは、誰もが知る真実、ですよね)。』
そんな状態で、大阪のど真ん中にリニアを通すことなんて出来るのでしょうか。
大阪中心地の地権なんて、絶対ドロッドロですよね。(←偏見)
私には、経験のない自治体が、そんなハードな調整が出来るとは思えません。
都市計画の専門家である藤井教授も
『リニアを大阪に接続する話が、政治や財界の力でなんとか前に進んだとしても、肝心の「都市計画の力」が大阪から失われてしまっているが故に、その実現が遠のいてしまう、という最悪の未来が、十分に現実味あるものとして予期されるのです。』
リニアの同時開業が出来なければ大阪は、東京はおろか名古屋にも置いていかれるでしょう。
そして大阪の凋落は、大阪・関西のみならず日本にとって大きな損失になるのです。
組織にはノウハウが蓄積されています。
そしてそのノウハウは、その組織が無くなれば消えてしまうのです。
無くなってしまえばまた一から作り直す他ありません。
100年の蓄積を、1からやり直さなくてはなら無いのです。
それでは、今日はこのへんで。
大阪市消滅確定まで あと19日
大阪都構想が日本を破壊する (文春新書 1020)
『「自治体として自殺するか否か 」が問われている』
フジイサトシドットコム「大阪都構想」を考える~権力による言論封殺には屈しません~
http://satoshi-fujii.com
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