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肉好きの経済思想誌

肉好きの男による経済思想誌

おはようございます。

GWが終わり、今日から仕事という方も多いのではないでしょうか。

ちなみに私は今日明日と有休をとった勝ち組です。

というわけで、今日も大阪都構想の話ですが、私がGWモードなので短めです。


昨日東京で、大阪市出身の方と話をする機会があったので大阪都構想の話題を振ってみました。

私「5/17の住民投票で賛成多数だったら大阪市が無くなるって知ってました?」

Aさん「えっ?何それ?アカン、絶対アカン。お婆ちゃんに言わな。いやホンマ絶対アカンでそんなん!」

Aさん「いやそんなん全然知らんよ。誰か反対してる人とかおらんの?」


こんな感じでした。
上記の反応を整理すると

・5/17の住民投票の結果次第で大阪市か消滅するということを知らない。
・大阪市が無くなるのは「絶対アカン」
・当然家族(お婆ちゃん)も反対だろうと考えている。
・大阪市解体に反対の意見が有ることを知らない。

 
この人は東京にお住まいなので、情報が入ってきにくいかと思いますが、やはりこういう方は多いのではないでしょうか。

ですから、やはり「大阪市が無くなるかもしれない」という情報が、大阪市民に限らず一人でも多くの目に触れることが大事なんだと思います。

投票日が近づいています。
みなさんも周りの人に「大阪市が無くなるかもしれないって知ってた?」と聞いてみて下さい。

それでは今日はこのへんで。


大阪市消滅確定まで  あと10日
こんばんは。

さっそく生活リズムが崩壊してきました。
今日は書籍の紹介です。

大阪都構想にも関係ある話なので是非ご覧ください。



意思決定の処方 (シリーズ・行動計量の科学)



著者は早稲田大学教授で行動計量の専門家の竹村和久教授と、
私たちにはおなじみの、京都大学教授の藤井聡教授です。

「えっ、行動計量学?藤井教授て土木専門じゃないの?」
と思われる方もいるかと思いますが、土木というのは非常に範囲が広いんです。
構造物を建てるだけではなく、都市計画や、建てた後の運用、更には土木事業を行うという「意思決定」までもが藤井先生の研究対象となっているのです。

本の内容はかなり学術的で、詳しく読み解くのは大変難しいです。
しかし、数式など難しいところを読み飛ばして(全体の半分以上は読み飛ばしました)考え方や事例だけを見ていっても、非常に興味深いことが書いてあります。

今回は私が興味深いと思ったところを、今起こっている出来事に照らし合わせて紹介します。
(私も理解できていない数式は一切出てきませんのでご安心下さい)


人間の思考には癖があります。行動計量学は人の行動を計量(数値で測定)し、その癖を明らかにするものです。

そして、この本の大きなキーワードとなる思考の癖が「フレーミング効果」です。

フレーミング効果とは、人が意思決定をする際、複数の判断基準(例えばメリットとデメリット)のうちどれを重要視するかが情報の与えられ方によって変わってしまうというものです。

本ではこんな実験結果が紹介されています。(要約して書きます)

設問
「600人を死亡させると予測される病気が発生。
対策はAとBの2つ。あなたはどちらを選択しますか?」

そして対策AとBの説明に入るわけですが、ここに仕掛けがあります。
実験では回答者を2つのグループに分け、それぞれに違ったニュアンスでAとBを説明します。

グループ1
ポジティブフレーミングを起こすため、なるべくポジティブに説明。
対策A:200人が必ず助かる
対策B:1/3の確率で600人全員が助かる。2/3の確率で誰も助からない。

結果は、グループ1では72%の人が対策Aを選択しました。

皆さんはどちらを選択しましたか?

続いてグループ2です。

グループ2
ネガティブフレーミングを起こすため、なるべくネガティブに説明。
対策A:400人が必ず死亡する。
対策B:誰も死なない確率は1/3。全員死亡する確率が2/3。

グループ1とグループ2に説明した対策は、どちらも本質的には同じものです。
しかしグループ2では78%が対策Bを選択したのです。

つまり、説明の仕方で人々の意思決定が全く変わってしまったということです。

これって結構怖いと思いませんか?

さらに興味深いのは、その変わり方です。意思決定の変わり方には決定的な癖があるというのです。

その前に、2つの対策の特徴を説明しておきます。

対策Aは確実な効果が約束されているかわり、必ず助からない人が出てしまいます。
対策Bは全滅のリスクがあるかわり、全員助かるという、理想の効果を得られる可能性があります。

対策Aは確実性重視、対策Bは可能性重視です。
言い換えると、対策Aはリスク回避型、対策Bはリスク志向型と言えます。

つまり、この実験で示された思考の癖とは

ポジティブフレーミングだとリスク回避型
ネガティブフレーミングだとリスク志向型

ということです。

皆さんどう思われるでしょう。私は意外だなと思いました。
ネガティブな情報を与えられたら慎重になり、リスク回避型になりそうな気がします。

しかしそうではないんです。
この傾向は、他の実験でも現れているそうです。

こう考えると分かりやすいかもしれません。

とにかくこのままではヤバいと、危機感を植え付ける。
すると、一か八かの過激な選択をしまう。

借金の返済日が迫ったお父ちゃんが、有金をギャンブルに突っ込んでしまうような心理でしょうか。

あるいは、このままでは大阪が潰れると脅された市民が、大阪市解体という過激な改革に賛成してしまうような心理でしょうか。


大阪は今、大々的なネガティブフレーミングキャンペーン(つまりは印象操作)に飲み込まれています。

「二重行政のムダで借金が膨らみ、大阪が潰れる。」

と言われたら誰だって「今すぐなんとかしなきゃ!」と思いますよね。

しかし
「二重行政で市民一人当たり年間うまい棒2本分のムダがあります。」

と言われれば、みなさんの選択は変わってくるのではないでしょうか。

しかし現実は、ネガティブフレーミングを誘導する報道やCMを、大阪市民は浴びせ続けられています。
こんな状態で、ネガティブフレーミングの罠から逃れることは出来るのでしょうか。

「意思決定の処方」にはその方法が書かれています。

それは、、、

よ~~~~~く考えること

です。

上記と同様の実験で、時間を与えてじっくりと考えてから選択をした場合、フレーミング効果が薄れ、リスク回避とリスク志向の中間に近づいていくという結果が出ているそうです。

強いネガティブフレーミングというのは、一種のパニックです。
いまの大阪市民は人為的にパニック状態にさせられているのです。

そこから逃れるには、落ち着いて、じっくりと考えるしかありません。

この辺の話は、藤井教授がメルマガで書いていらっしゃいますので、是非ご覧ください。
フレーミング効果以外にも色々あるそうです。(つまり色々やられてしまっている)

藤井教授:徹底解剖! 都構想「賛成」を導く心理操作術
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/04/21/fujii-139/
『大阪、そして日本の未来を大きく左右する「都構想」の住民投票にて、一人でも多くの有権者達が、公権力者や似非学者達が仕掛ける心理操作を跳ね除け、理性的な賛否判断を下さいますことを、祈念したいと思います。』


それでは今日はこの辺で。


大阪市消滅確定まで あと17日



大阪都構想が日本を破壊する (文春新書 1020)
『「自治体として自殺するか否か 」が問われている』



意思決定の処方 (シリーズ・行動計量の科学)

フジイサトシドットコム「大阪都構想」を考える~権力による言論封殺には屈しません~
http://satoshi-fujii.com
おはようございます。

GW初日の今日は昭和の日です。

今日も大阪都構想のお話。

フジイサトシドットコムより、この話題を取り上げます。

吹田市と八尾市は堺市とともに都構想の「防波堤」になりました
http://satoshi-fujii.com/150427-2/
『この度、吹田市で現職の維新系市長を破り、新しく市長になった後藤圭二氏は、
「堺市長、八尾市長とともに都構想の防波堤になる」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150427-00000002-asahi-pol
と発言されています。
この発言は、極めて重大な意味を持ちます。』

紹介されているリンク先の記事を見てみましょう。
朝日新聞:大阪維新、府内の3市長選で敗北 自民など推薦候補に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150427-00000002-asahi-pol
『第18回統一地方選挙の後半戦は26日、142市区町村長選と586市区町村議選で投票、一部を除いて即日開票された。大阪府内の3市長選では、大阪市をなくして五つの特別区を設けるいわゆる「大阪都構想」で対立する大阪維新の会と自民党の推薦候補が激突し、いずれも自民党の推薦候補が勝った。

 吹田市長選は自民、公明両党が推薦する新顔の後藤圭二氏(57)が、維新推薦で現職の井上哲也氏(58)ら3氏を破った。後藤氏は選挙戦で「行政レベルが下がる危険性がある」と都構想批判を展開。当選後には「(反対派の)堺市長、八尾市長とともに都構想の防波堤になる」と語った。前回、公認で維新ブームの象徴となった井上氏は、今回も維新色を前面に出したが、及ばなかった。

 3人の新顔が争った寝屋川市長選でも「都構想と連携した市政を推進する」と訴えた維新推薦候補が敗れ、自民党推薦の元同党府議が初当選。八尾市長選では自民、民主、公明、社民の各党が推薦した現職が、維新と次世代の党推薦の新顔を退けた。こうした結果に、自民党の竹本直一府連会長は「住民投票で反対の後押しになる」と語った。』


藤井教授『まず、下記地図をご覧ください。この地図は、「当初提案されていた区割り案」です。都構想推進派は、ご覧の様に、大阪市だけでなく、その周辺の吹田市、八尾市、堺市等の自治体も全て、「特別区」し、大阪府の中心に大きな「特別区エリア」をつくることを主張していました。』
(地図:http://satoshi-fujii.com/150427-2/



つまり、今回の市長選挙で元々の大阪都構想案で解体される予定であった市の市長選の結果が出そろったわけです。

結果は、大阪市以外は維新の候補の負け。
つまり、大阪市以外の市は、もう一つの政令市である堺市を筆頭に大阪都構想に反対の意思表示をしているということです。

大阪市以外の市は冷静に、真っ当な判断をしたと言えるのではないでしょうか。
ではなぜ、堺市や吹田市、八尾市は冷静な判断ができたのでしょうか。

それは橋下さんが立候補していないからです。

有名タレント出身でない普通の政治家が説明しても、大阪都構想は到底受け入れられるものではないということです。

反対に、橋下市長のいる大阪市では冷静に考えることが困難になっています。
いや、そもそも考えること自体が困難であると言えるのではないでしょうか。

テレビでは昼夜、大阪都構想の「イメージ」や「スローガン」が繰り返し繰り返し放送されています。それもそのはず、維新の党は政党助成金(国民の税金)を投入し、大阪市でCMを打ちまくっています。

朝日新聞:ビラもCMも無制限 大阪都構想の住民投票運動「解禁」
http://www.asahi.com/articles/ASH4D46JMH4DPTIL00H.html
『維新は住民投票の広報予算に4億~5億円を見込み、多くは橋下氏が最高顧問を務める維新の党の政党交付金をつぎ込む。』


さらに大阪市主催の説明会でも、「イメージ」や「スローガン」、さらには「嘘」が浴びせ続けられています。

【全文掲載】これぞ戦後最大の詐欺である 適菜収(作家、哲学者)+本誌取材班――特集 「大阪都構想」の大嘘
http://www.gruri.jp/article/2015/04230900/index.html
『■催眠商法の手口
 ここからが本領発揮である。
「今の大阪府、大阪市にはものすごい問題、これはもうある。これを解決しないことには大阪には未来がない。これが大阪都構想、賛成の立場」
「今の大阪府、大阪市を前提にしてもいくらでもそんなのはなんとかなるよという立場が、大阪都構想反対派の人たちです」
 複雑な事象を単純化し二項対立に落としこむ。
「さあ奥さん。どちらを選びますか?」 』


大阪市の皆さんは、今大阪市が置かれている異常な状況を自覚する必要があります。
スローガンを浴びせ続けられると、多くの人は「思考停止」してしまいます。

つまり、相手のいいなりになってしまうということです。


藤井教授はこう言っています。

都構想を「うさん臭い」と思う心が、大阪を救います
http://satoshi-fujii.com/150422-2/


今日はこのへんで。


大阪市消滅確定まで あと18日



大阪都構想が日本を破壊する (文春新書 1020)
『「自治体として自殺するか否か 」が問われている』


フジイサトシドットコム「大阪都構想」を考える~権力による言論封殺には屈しません~
http://satoshi-fujii.com