緊急事態宣言がほぼ延長される見通しとなりました。
ここで、一度冷静にきちんと考えたいことは非論理や情緒的にならず「現実を真実」としコロナを捉える事です。
まず、全く未知のウィルスなので、治療薬やワクチンの開発はどれだけ急いだとしても１年～2年後になることは、既に世界中の方が理解していますし、各国中央政府も各方面専門家も同様の認識です。
収束を相当長い目で見なければなりません。
ということは・・・・ウィルスとの戦いは超長期戦なわけです。
これが「変えようのない状況」であり「受け入れるしかない状況」です。
ただ、今まで取っている戦法は短期戦の戦法です。
実際に歴史に残る多くの勝利は「短期戦」にあります。
なぜなら、長期戦を避け短期戦で決着をつける事が定石だからです。
例えば、日本の歴史で言えば一ノ谷の戦い、桶狭間の戦い、関ヶ原の戦い、日本海海戦等です。
また長期戦の戦いといえば壬申の乱、応仁の乱、川中島の戦い、何より一番わかりやすい代表格は太平洋戦争です。
太平洋戦争においては、日本は元々短期決戦で早期講和に持ち込む予定でしたが、それが失敗し長期戦となりました。
その後、国力の差で米国に勝てないのは当たり前のことで、日本は予想通り戦争を維持する為の国力の疲弊と共に敗戦へと進んでいきました。
短期戦は戦術がものを言いますが、、長期戦で最も大切なものは兵糧です。
三国志でも呉が自国よりも大きな魏に勝った赤壁の戦いは短期決戦で戦術がものを言いました。
また諸葛亮率いる蜀が中原を取り戻すための北伐遠征は糧道確保と兵糧補給がその戦の最も大切な要であり、それを失った街亭の戦いの敗戦により引き返した事はあまりにも有名です。
今回の新型コロナとの戦いにおいても、ロックダウンや封じ込めというのはいわゆる短期決戦の戦法です。
短期決戦だからこそ、一時的に経済を犠牲にする事が出来ます。
しかし、経済をギリギリ軽症に抑え込めるのは１か月、これを超えると甚大な被害が起こることはもう他国を見ても明らかですし、日本も同様です。
ドイツや経済大国アメリカですら１か月止めるだけでこの状況になります。
そして、残念な事にウィルスとの戦争で短期戦は人類側が敗北した事実を我々は認めないといけません。
そもそも短期戦の戦術を用いるのだとすれば、武漢蔓延時点で中国がロックダウンをかけるなり、WHOが強い言葉で規制を促す等しなければなりませんでした。
そこが失敗し、各国に飛び火したのは1月です。
次の段階の各国の短期戦はもう1月で仕掛けなければなりませんでした。台湾の様に。
しかし、そこも失敗したのであれば、もう残された道は長期戦のみです。
では、長期戦の構えには一体何が必要なのか。
兵糧確保というのは、国力の支柱でもある経済をどう活かすかです。
我々個人の生活も経済が支柱です。生活を維持する最低限の活動の第一は「収入確保」です。
収入を確保しない限り衣食住は維持できません。
ウィルスとの戦いが長期戦なのであれば、経済を維持しないかぎり長期戦はできません。
短期決戦の戦術を延々と数年にわたり断続的に繰り返すなど自殺行為です。
緊急事態宣言の延長がもたらす経済への被害は今の倍ではききません。
結論として経済活動を平常通り戻し、その中でウィルスと戦うのであれば賛否両論ありますがスウェーデン方式です。
というか、もともと日本はその方式でやろうとしていたわけです。
ただ、それを明確に示すには「長期戦略においてはコロナでお亡くなりになる方はある程度覚悟するしかない」という変えようのない現実を政治家が言わないといけなくなります。
ただ、その言葉を言ったら、そういう「ドライで現実的な言葉」に慣れていない日本人はすぐに政権が吹っ飛ぶレベルの世論にシフトするし、それに野党は付け込む事になったと思います。
つまり安倍さんあたりは腹積もりとしては長期戦の構えですが、それを表に出す事は様々な事情から難しかったのではないかと推察しますし、ストレスがかかる言葉を言えない政治に、ストレスのかからない「人命第一」を錦の御旗で掲げた世論の罪は非常に重いです。
長期戦で戦うのだとしたら、年齢問わず既往症のある重症化リスクの高い方や妊婦さん及び70歳以上だけに自粛要請を出し、万全の態勢で生活と精神のケアを相当手厚くしていきながら、無症状や軽症で済むような年代や重症化リスクの低い年代から経済活動を再開し、ワクチンや治療薬が開発されるこの先2年間くらいまでは抗体に頼るしかないはずです。
例え、それがまた再発してしまう不完全な抗体だったとしてもです。
しかし、短期戦法の自粛を継続していては抗体も作ることはできません。
私は専門家ではないので、もっと良い案が専門家の先生方なら作れると思いますが、ワクチンや治療薬の開発されるまでの持久戦なのですから、感染回避対策以上に多くの方が抗体を作っていける上策を議論して頂きたいです。
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