先月からゲームの事を書いていますが、今回も少し考えてみたいと思います。

 

私も子供の頃から今まで、TVゲームから始まり、外出先に持ち運べるゲーム(PSPやゲームボーイ)になり、そしてインターネットの普及と共にネットゲーム、スマホの普及でスマホゲームと形は変わりながらもゲームが身近に存在しながら生活してきました。

 

一方両親にとってはTVゲームは存在せず、喫茶店にあったテーブル型のゲームです。

なので、ゲームに触れるようになったのは「一人で喫茶店に行けるような年齢」になってからです。

つまり、ゲームをやりだしたスタート時の年齢が両親と私では随分と異なります。

社会人になってからゲームに触れた両親の目には、小学校低学年でゲームをやりはじめる子供がどう映ったのか・・・

気になったので、その時のことを聞いてみました。

 

すると予想していなかった答えが返ってきました。

 

一番危惧したのは、ゲームばっかりするようになることよりも「リセット」が簡単に利く事だったそうです。

 

「これは・・・ヤバイな。ゲームは失敗したら簡単にリセットできてしまうから、リセットできるものとリセットできないものが現実にはある事をしっかりと教えていかなきゃいけないな・・・」

 

と思ったそうです。

 

両親がゲームをやり始めた年齢は社会人になってからですから、当然受験や就職、恋愛や社会人生活での紆余曲折を経験しながらリセットが利くものと利かないものがある事を成功体験・失敗体験の両方を通じて知っています。

しかし、当時まだ10歳未満の私は、それをこれからの学校生活で友人との関係、部活での試合や練習、受験、恋愛等を体験を通じて学んでいく途中な訳です。

 

その階段を上っている途中において、(うまくいかなくなると)安易にリセットが利くゲームの特性を「自身の価値観」として持ってしまう可能性がある事を強く危惧したそうです。

 

そこで、父が我が家に投入したもの。

 

それがバンカースゲームや人生ゲーム・オセロという複数人でしか遊べないボードゲームでした。

 

そもそもこれらは一人でプレイできません。

(しても楽しくないでしょう笑)

当時は特に父と妹でバンカースゲーム(※)に熱中していました。

複数人でしかできないという事は、たとえどれだけ自分が不利になったとしても相手がいるから「もうやーめた!」「やりなおそ!」と言って途中で簡単にリセットすることができません。

リセットしたくても、今進んでいるゲームを終わらせてからしかできません。

 

幼い日のバンカースゲームの記憶を手繰ってみたのですが、あの時私が「もういややー!!最初っからやりなおして!!」と何度駄々をこねても、途中でリセットしてくれた記憶がありません(笑)!!

最後までいったん終わらせてから再挑戦で次のゲームをスタートさせていたのだと思います。

長い時では、朝から夜まで延々と・・・10回以上したこともあります!!

 

唯一途中でリセットした・・・と言うより無理やりさせられた・・・のは、バンカースゲームの途中で妹が「田園調布」を取れなかった事でボードをひっくり返した事です。

しかしながら!その時「田園調布」をとっていたのは私だったので(笑)、激怒したことを記憶しています。

 

当時、私が小学校3年生、妹が小学校1年生くらい

父が持ち帰ったボードゲームは、まず思考力の必要ないもの(要は運のみ!)

また、ポーカーのように相手をだます振り等をしなくていいもの。

バンカースゲームは「我慢」が必要になるゲームです。

なぜなら、最初の3週くらいで自分の持つ陣地(土地)が決まるので、手持ちが悪ければ残された方法は相手陣地に止まらない様、サイコロの目を祈る事しかできません。

 

その年齢の私たち姉妹に高い思考力が求められるゲームは楽しめないし、

その時期の性格形成において、演技や振りで対戦相手を負けさせるような技は身に着けてほしくなかったそうです。

何より、抑制ではなく「我慢」を少しずつ身に着けてゆかなければならない時期だから、父はバンカースゲームを選んだそうです。

 

 

つまり、我々が一人の「人間」として自立する過程において「身につけなければならない必要な事」は年齢と共に変化します。

その「必要な事」さえ身につけれるような環境を作って行けばゲームがあろうとyoutubeがあろうと大丈夫と言う事です。

大人の我々は20代30代になってからyoutubeを見ていますが、ご自身のお子様に見せるとすればyoutubeを見始めるスタート年齢がご両親様と異なります。

見せる事が「悪」なのではなく、その年齢において育むべきものをゲームやyoutubeが阻害したり退化させるのであれば、その危険性がなくなる年齢から触れさせても遅くはありませんし、どうしても必要なのであれば・・・

スーパーマリオにボードゲームをセットで遊んだように、

別の何かをセットさせて行けたら良いと思います。

 

 

次回は「youtubeをはじめとするネット動画とTV、子供(大人も含?)にとってはどっちがいいの?」について考えようと思います。

 

『ゲーム依存症について』シリーズ

①「自分の未経験を子供たちが経験する時代に」はコチラ

②「依存状態の脳内から考えてみる」はコチラ

 

 

 

※バンカースゲーム

1960年代にヒットしたボードゲームなので、私が手にしたときはもうブームが終わった後ですね。

サイコロを振って止まった場所の土地を買い、家を建て、自分の所有する土地に他プレイヤーが止まった時は土地代をもらえるというすごろくゲームです。

もちろん土地の優劣があり、地代の高いところを持っていると有利です。

今思うと田園調布や銀座・新宿・六本木等を取れるかどうかで勝負がほぼほぼ決まりますね(笑)。

 

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