2023年11月28日、「ゴジラ-1.0」鑑賞してきました。どこで観ようか?考えた末にちょうど夜勤明けでシネマイレージデーだし、良い時間にIMAXシアターで観られたからTOHOシネマズ日比谷にしました。今、どうやらTOHOシネマズの本部が日比谷にあるみたいでゴジラのフラッグシップとしての装飾がテンション上がりました。








ゴジラ舐めの皇居とかなかなかなシチュエーションで同じ回に見るであろうオジサン、オバサンは大興奮でした。さて、いつもながらネタバレするために予告編をご覧ください。
このYouTube見終わったら本編です?



私、監督の山崎貴って人の認識が薄かった事を痛感しました。職場に還暦過ぎたおじさんで先日「シン・仮面ライダー」を一緒に行ったオジサンWさんがいて、その人と一緒に見に行こうなんて言われてたけど、スケジュール合わなくて単独で見に行くことになったんだけど、W氏がよく『ザキヤマのやるゴジラはどうなのかねぇ』なんて言ってたけど、山崎貴って樋口真嗣とかに近いんでしょ?とか思ったらぜんぜん違う人でした。
「ALWAYS 三丁目の夕日」の人でした。帰りにWikipediaで見て知ったんだけど、そうなのか「(俺の中でのジャンル分けだと)人情派が描いたゴジラだったのか」と納得した。山崎貴がやること自体で賛否両論だとは聞いてたけど、知ってたら確かに積極的には見なかったかもしれない。

泣いて泣いて終わった

最終的にガッツリ目が腫れるくらいに泣いて終わりました。ゴジラで泣くとは思わなかった。観終わって出た感想はそれでした。
親になる以前から家族ものへの涙腺は弱かったんだけど、やっぱりあの2歳位と思われる少女が可愛すぎて「(神木隆之介に対して)お前、あの子残して死ぬんじゃねぇぞ」っていう佐々木蔵之介と同じような感情にさせられました。

伏線バカに言わせれば、緩すぎる分かりやすい伏線にきっと激怒されてる方もいらっしゃるんでしょうけど(笑)、『ゴジラ映画なんだからこれくらいでいいんだよ』なんてことを思わせてくれました。逆を言えば頭の中を複雑な回路にしすぎてしまったんじゃないか?そんな気がします。
具体的に言えば、ラストの2発、

①神木隆之介が戦闘機ごとゴジラの口に突っ込む時に脱出装置の説明をした時の話

②浜辺美波が生きてたことを知らせる電報

いずれも寸止めで内容明かされずにクライマックスでネタバラシみたいな展開だったんだけど「そんな分かりやすくするなんて残念だわぁ」とは思ってたけど、冷静に考えたら子ども達も観る映画なわけで、むしろその層に向けたのだとしたら納得の演出だと思えた。

本当に血の繋がりは無く出会った家族が生きて三人で家族になるという大団円に終わりゴジラが停止したのだから良いじゃないか!そんな気持ちになれる作品でした。みんながいや最大公約数が満足できたであろう結末を追求しきった山崎貴は立派だと思う。

同じゴジラでも庵野秀明山崎貴の違いはそこにあるのではなかろうか、子供を含む一般人には向けているのかどうかだったのであろう、そう考えると、いずれの傑作性も変わらない。

電車内でぶら下がるように耐えた乙女が落下して、水に突入して陸に上がった中で二人がゴジラが襲撃した銀座の街で再会するわけがないとか、放射能光線の爆風受けて生き延びたのは現実的に有り得ないと語るやつは無理でしょうね、ファンタジーのない世界をお進み下さい。

そういう超現実な中で歴代ゴジラの中で一番リアリティを感じたのが「ゴジラ- 1.0」だったので個人的には山崎貴凄いなと思った。

まず、冒頭の島のシーンでの人間を首根っこから加えて進んで行くゴジラの獰猛さ、そして背びれだけで感じさせる大きさ、そしてビキニ環礁での核実験を経て成長して銀座での立ち居振る舞い、今夏に西武園ゆうえんちで「ゴジラ・ザ・ライド」を体感してて、そこの監修を山崎貴がやってたから地続きの恐怖があったのかもしれない。

順番で言えば過去ゴジラを踏まえてのアップデートされた最新型なので当たり前なのかもしれないけど、最新のゴジラは一番現実にいそうであり恐怖を感じた。ざっくり分析すると、現代の兵器の話をされてもこちらは詳しくないから凄さがわからなかったりするんだけど、今回の攻撃は凄いシンプル。
例を挙げると、ライフル、戦闘機のミサイル、鉄球型の爆弾、オゾン、水圧とか見たことはなくても何となく分かる感じでそんな身近なアイテムでもやられないゴジラに今までにない強さを感じた。

  演者がみんなカッコいい

あと、演者がみんなカッコよかった。良い人だけではない神木隆之介、ALWAYS同様に賢者を演じる吉岡秀隆、一本気な男に感情移入出来た佐々木蔵之介、最近良く見る山田裕貴とこれだけでも「日本映画界が本気出してきた」みたいな強い意志を感じました。更にヒロインだった浜辺美波はNHK連続テレビ小説『らんまん』からの助走もあったけど魅力的な役であったけど、そこにクセのあるオバサンを演じる安藤サクラの凄みと言い『カッコいいわぁ』なんて何度思ったことか。

やっぱり山崎貴の映画でコレは日本にゴジラがやって来る事をテーマにしたヒューマンドラマの色合いが濃いように俺に見えたのだなと思う。とりあえず、7歳の甥が「シン・ゴジラ」にハマったらしいから歴代で一番怖いゴジラを妹を通じて勧めたんだけど、バトルシーンしか見られないらしいから無理だわぁなんて思ったりした。

IMAX良し悪し

今回見たのはIMAXで音が凄かった。最初うるさめな音も慣れて、2回あった雨のシーンの音が印象的だった。冷房が効いてるわけでもないのに雨音でなんか寒気を感じたそれくらいのリアルな音だった。音がでか過ぎて台詞が何度か聞こえないのもいかがなものかなとは思うけど、会話劇でもないから、それでも良いのかなと思った。IMAXでもドルビーアトモスとかではないノーマルだったらまた違う印象があるのかもしれない。

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最後に個人的な話

神木隆之介が演じる役名が敷島浩一という名前だった。私、名前をシマダコウイチと申しまして、敷島は苗字で呼ばれるケースが圧倒的に多い、私もここまでの人生で「シマダ」と呼ばれてきてるんだけど、最初安藤サクラが「浩一さん」と呼びかけた時にまず興奮してたが、その後浜辺美波は敷島を「こうさん」としか呼ばなかった。夫婦でもないから「浩一さん」と呼ぶ距離感でも無く戦後すぐという時代背景から「浩ちゃん」とも呼べない、「こうさん」という現代離れした呼び方に『ずっと距離ある感じになるのか』と微妙な感じで見ていたことを打ち明けます。


あと、ゴジラが銀座に来た時、何も言わずに立つ橋爪功いたよね?映画観る時によくある「この人いた!」みたいな感動をすることが結構あるけど、今回はVIVANTの最後に出て来たとき以来で見つけたのは中々興奮しました。


偉そうですが山崎貴やりよるな、そんな一本でした。