『いや、昨日あそこにいたのが私でごめんなさい。でも、楽しかったです!』



『たっちーはすぅちゃんが良いって言ってたし、連絡待ってたみたいだから、メールしてみてや』



そこから、たっちーさんにメールをしてみた。



『昨日はありがとうございました!楽しかったです』



『クリスマスに夢を与えてくれてありがとう』



何て何気ないメールが続き、バイクに乗りたいとお願いをしてみた。



何だかバイクに縁があるみたいだ。



お願いしたその日の夜中、1時にバイクに乗せてもらえることが決まった。



クリスマスパーティー2日後のことだった。



寒いから、たっちーさんを待つ間、ホッカイロをコンビニで買い、バイクが到着するのを待った。



両手にホッカイロを持ち、シャカシャカしている間、胸が小踊りしていた。



会ったばっかりなのに、どうしてだろう。たっちーさんに会うのが楽しみに感じているなんて。



そんな複雑な気持ちのまま、道路の50メートル先に黒いバイクを見つけた。



たっちーさんかどうかは暗くて分からなかったけれど、走って行くと黒ぶちメガネのたっちーさんがいた。



「さっみー!!こんな日にバイクに乗るなんて自殺行為よ」



「ごめんなさい。はい、ホッカイロ」



「ありがとう。ってこれ全然温まってないじゃん」



うっ・・・毒舌。



でも、可愛い。



顔がほころんだ。



「どこ行くよ」



「海!がいいです」



「まぁ、とりあえず走るか」



メットを渡され、たっちーさんの肩に手を置きバイクにまたがった。



ブォォ・・・


風が痛く、手や顔に容赦なく突き刺さる。



「大丈夫か?」



「手が動かなくなってきました」



手をどこに置いていいか分からず、肩に乗せていた。



私の膝がたっちーさんの腰にくっつき、2人の体温が交ざり合い、温かかった。



夏に、ケンちゃんと一緒に行った海。


ふと、夏の青い薫りがよぎった。


だけど、たっちーさんの温もりですぐに掻き消された。


あれ?


海辺に着いて、2人で歩く。


ケンちゃんとの思い出がたっちーさんへと代わろうとしていた。



たっちーさん・・・



歩きながら、寒さが突き刺す中で、程良く緊張しながら色々なことを話した気がする。


でも、忘れてしまった。