スリースパイスペースト、最近ではサームグルー(3人の親友)などと呼ぶらしい。約30年前、氏家さんの「私のタイ料理」で知ったのが最初。これを作るにはパクチーの根が必須なのであるが、当時は生パクチーが手に入りにくく苦労した。したがってコリアンダーシードから栽培するしかなかった。ホールのコリアンダーシードを水に浸け、発芽させるということである。なんとも気が長い話ではないか。しかしスリースパイスを使ってエビの茶碗蒸しを作ったときは美味しくて感動した。





サームグルーを使った料理の一例。

【海老の春雨蒸しクン・オップ・ウンセン】

กุ้งอบวุ้นเส้น

土鍋などで提供されるタイの代表的な蒸し料理。ここではフライパンを使って。スリースパイスが春雨に染み込み、繊細な風味を醸し出してくれます。



 しばらくの間、かなりの年数、タイ料理作りから遠ざかっていた。インドカレーに夢中になっていたからかもしれない。しかしながらまた最近どういうわけかタイ料理に惹かれ始めている。小さめのクロックヒンも買い足し、このスリースパイスペーストを作ろうとすると、



何故か心が浮き立つ感じがする。

 作り方は、ニンニク3個、白胡椒粒大さじ1/2、それにパクチーの根をみじん切りにしたものを加えてクロックでペースト状に潰すのである。にんにく1個につき、パクチーの根が一本くらいのバランスだろうか。パクチーの根は上の茎の部分を1cm程度加えて切っても良い。胡椒を潰すときは勢いよくすると飛び散るので要注意。

 これをさまざまな料理に用いると、なんとも言えない奥深い風味が加わる。ヤムウンセン、ルム、ムーサロン、タピオカボール、ガイヤーン、カイトウン... きりがないほどだ。意外に簡単にできるのでぜひ一度お試しいただきたい。