はい、現在すっかり雪も積もってしまい・・・家に居る事が多くなりました。最低限の買い物以外は家に閉じこもっていますが・・・暇ですねぇ。 もしかしたら掘れるんじゃないの?とドライブがてらに川を見に行きましたが現実はそう甘く無いです。
毎年この時期は持て余した時間で、その年の砂金の整理をしています。
私は砂金をその年の河川、盤ごとに分けていて分析する資料としています。
その年のシーズンが終わると、既に持っている砂金と合わせていきます。 でないと瓶だけがドンドン増えていく。。
砂金の量が多くなると・・瓶に入れるのが大変になります・・・瓶を倒したり、こぼしたり、跳ねてどこか飛んでいったりしがち・・。 これ以上我が家のカーペットの金の含有量を増やす訳にはいかない(笑)
砂金がこぼれない様にガスボンベで作った「漏斗」を使って入れたりと何かと砂金界隈は道具が増えがち。
え~と、さてそんな訳で時間も出来ました。 いつかやろうと思っていたけど出来なかった記事でも書こうかと思います。
それは
「保存版!! 揺り板の使い方!!」
以前にやるやる言ったきりでしたが・・画像が~無いんですよ、私一人でやってるし・・・
こういう角度からここを撮影したい!とか、ここをアップで!とか一人じゃ出来ません。 家で嫁に撮ってもらう・・? それは絵的にどうなのだ? んん~・・・とずっと悩んでました。
色々考えた結果、この前ひらめいた! 私の片思い師匠(私がそう思っているだけ)の動画を画像化して、誰かわからない様に切り抜いたらベストでは!?これなら素材ある!では行きましょう~!
まずその前にこの揺り板は日本古来の砂金をより分ける道具なのだが、結構伝承があやふやになってきていると思う。 砂金採り体験や施設等で間違って教えているとか、誰かが言っていた間違いがネットを独り歩きしているのを良く見かける。
そもそもパンニング皿と違ってこれでいきなり砂金を採る訳ではないのです。 「板ねこ」や(今で言うスルース)「ねこ」で(スルースに敷くPVCマットみたいな)濃縮したのを最後に選別する為の物です。 探索や調査掘りではあり得ますが、揺り板にいきなり土砂を入れること自体が稀なのです。
とは言え今回はその土砂から解説します、こっちの方が広く役に立つと思うので。
では行きます。 揺り板を使った板採り法
1.揺り板に土砂を入れたら水に沈めて揉み洗いする様に小石だけを捨てます。ザルを使うのならこれは不要。
2.前後左右に板を揺すります、角度は水平で砂金を底に沈める為の動きです。
3. 小石がまた出てきたら取り除き、摘まめないのは手櫛で洗いながら集めて水をかけ、石を縁から捨てます。
4.しっかり揺すって砂金が底に沈んだようなら選鉱スタート、揺り板を持ち手前から水を汲み入れます。頭は左手に持つのが良いかと思います。
5.水を汲んだらある程度の速さで水平に戻しつつほんの少し手前に引く。この時に大事なのは水平より下に傾けない事。揺り板にも縁にリッフルの様な段があるにはあるけどそれは使わない気持ちで、土砂がめくれない水流を心がけます。
その後も土砂を減らす為に何度も前後に揺すっては流します。この時何回揺するかは都度違うのですが2・3回が多い感じです。
「2.3回揺すり・水を汲んで・水平に」このリズムでどんどん表面より軽い土砂を洗い流します。
6.揺り板を所有している方なら御存知の人も多いと思うが、揺り板はただの窪みではなく揺すれば揺する程に頭の縁に砂礫が寄る様に傾斜が付いている。 (画像で指差している個所が僅かだが1番深い)
7. 揺すって、水を手前で汲んで、水平に戻しつつちょい引き。これを繰り返すのだけど小石が混じっていたり、土砂だけ寄ったりした場合は重点的にそこを流したい場合があります。揺すり方は水平だけではありません。それらを重点的に流す為に右手下がり、左手下がりなど見てわからない程度の角度をつけて水量を変化させ流したりしています。
8. 砂鉄ばかりになってきたら1番深い部分の縁に集めます。
9. ここでも揺すって縁の角に砂金を沈める様なイメージで揺すりつつ、砂などを除去。ここはパンニング皿の様な往復運動。
10. 持ち直して揺すります。ここでは左右に小刻みに揺すって縁の真ん中の角に1列に並ぶ様に砂金を集めます。
さ、ここからが大変!(説明する私がw 語彙力足りるかな・・)
↓「湯もみ」ってご存じだろうか?温泉で丁度良い湯加減になる様に板でお湯を冷ましてくれるアレ。
レーシングカーのハンドルみたいに板を左右に交互に回転させますよね、あれに似た動きを揺り板でもやります!
11. 揺り板を親指と人差し指だけで軽く持ちます。持った方の頭を高くして角度を付けます。そしてどちらか傾けた時に水面を小指と薬指を使って水を撥ね掛けます!!
12. 水を掛けたら反転、反対側の手でも水を撥ね掛けます。 「撥ね掛ける」と私が表記した通り、数滴しか水は汲めません。 この少ない水で揺り板に残った重砂だけを少しづつ流して行く訳なんですが、この動きがとっても難しい。 手袋していると尚更です。 この「湯もみの様な動き+水滴を撥ね掛ける」で砂鉄を処理していきます。
13. ある程度砂鉄が減ったら次は砂金だけを取り上げたい! 一般的に多くはここで指で摘まんだり引っ付けたりして終わり!な場合がありますが、まだ続きの技があるんです。この縁に砂金だけを寄せます
14. 軽く両手で持ち小刻みに揺り板の頭を下げます。せっせっせっと。

15. イメージでは書類を机でトントンしてまとめる時の様な早さで、上下にリズム良く動かします。下げを強く。
16. すると摩訶不思議! 砂鉄は前に砂金だけが手元に寄ってきます! 見ているだけだと魔法のような技です。これは比重の違いを使って慣性の法則で分けているのです。 砂鉄は前方に砂金だけ手前に寄ってきますので要らない砂鉄は水を掛けて流す。
17. まだ少量砂鉄が残ります、ここまできたら今度は砂金だけを布や容器に砂金を回収します。揺り板には角に「溝」が掘ってある場合がありますが、ここから砂金を容器等に流して回収する為です。 (この溝ですが昔は布か茶碗程度のものしか無かったので必要だったのでしょう。)
18. 溝から回収するんですが砂鉄は要りません、今度はこの溝まで砂金だけ寄せます。 右手で揺り板の溝のある角をトントンと叩きます。 すると中央にある砂金が慣性で寄ってきます。
そうしたら最後に水を掛けて容器等に流して回収し終了!
これが私の知る限り一番正確で卓越した揺り板の使い方です! 現時点でこの方は45年の砂金掘り歴があります。 パンニング皿が無かった時代の技を幼少期より遊びながら学んだそうです。
ここまでの動きを出来る方やこれらの動作を知っている方は今の時代そう多くないと思います。色んな動画を拝見しますと「揺すった!流した、終わり!」みたいなのが多く・・インストラクターを名乗る方ですら・・。 本当の使い方を知らない人が多過ぎる・・。
私はこの画像の御方に揺り板と技を継承させて頂いております。 本来の使い方や技をこうして貴重な資料として残せた事を光栄に思います。
揺り板となると売ってもいませんし、北海道の体験場にでも行かない限りなかなかお目にかかる道具では無いかもしれません。ですが日本の誇る砂金採りの道具として後世に長く大切に残って欲しいなと私は思うのです。
fin.





















