スターベース東京に注文していた、FC/FSマルチフラットナー1.04倍が到着です。
これは望遠鏡の球面収差(だったかな?)を補正して、画角の周辺まで星を点に写すための補正レンズです。マルチとはタカハシの現行シリーズや旧いシリーズの屈折望遠鏡に、幅広く共通で使える様に設計されていることを表わしています。
なので、私のFC-76DCUで使用する為には焦点調整用の専用リングであるCAリング76用を併用します。フラットナーとCAリングで合わせて27,500円でございます。
特に色の付いてない凹レンズが入っていますね。タカハシ流の完璧な加工で、内面は艶消し塗装がなされています。
ここで私は一つの問題を抱えております。それはわたくしが吝嗇の為、純正のカメラマウントを購入せず有りもので直焦点撮影をしていることです。
前から持っていたケンコーのEマウント用Tリングに42→52のステップリングを嵌めて使って来たのです。補正レンズを使わない直焦点撮影はそれで良かったのですが、今度は補正レンズとカメラの焦点面との距離、これをタカハシはメタルバックと言いますが、FC-76DCUの場合は75mmに合わせないといけないとマニュアルに書いてありました。CAリングの光路長もそうなる長さになっている模様です。
これはいよいよタカハシの純正カメラマウントを買わないといけないのかと観念しかけたところ、なんと!偶然なのか必然なのか私の有りもの流用で、メタルバックが75mmになったのです。望遠鏡を買ったとき以上に喜んだ私は、くどくどここでその訳を書き連ねることをお許し下さい。(笑)
1.一般的にTリングはどんなカメラでもフランジバックと光路長の合計で55mmになる様に作られるそうです。それはM42の55mmと表現されてました。計ってみるとTリングは37mmで、NEX5はEマウントでフランジバックは18mmですから、確かに合計で55mmでした。
2.一方、タカハシのEマウント向けの純正カメラマウントはフランジバックと光路長の合計で56mmで作られていて、M52の56mmとサイトに書かれてました。
3.購入したCAリング76の光路長は計ってみると19mmでした。つまり標準では19mm+56mm=75mmでぴったりメタルバックと一致する様になっているのです。その為のCAリングなので当然ですね。
4.私の有りものTマウントでは55mmになりますから、CAリングの19mmと合計すると74mmとなり1mm足りないところ、ネジ合わせの為にやっつけで入れた42→52のステップリングが厚み1mmであり、合計で75mmになったのです!
何という偶然でしょう、まさにB級有ものバンザイ!です。但し、タカハシの純正カメラマウントは内面に艶消し塗装がしてあるのですが、私が昔買ったケンコーのTマウントは溝が切ってあるものの光沢が有ります。そこは流用しているので諦めないといけないですね。
思わず話が長くなってしまいましたが、同じようなことを模索している方の参考になれば幸いです。それではさっさと次にまいりましょう。(^^)
実戦投入は比較の為に、先日撮影したヘラクレス座の球状星団M13の撮影にしました。
それではいってみましょう、フラットナーを入れたFC-76DCUによるM13です。
ヘラクレス座 球状星団 M13
タカハシFC-76DCU+FC/FSマルチフラットナー+ソニーNEX5ボディ直焦点
露出90秒 ISO3200 タカハシTS100追尾
合成焦点距離589mmF7.8
おー、画面の端でも星が点ですね。1000ピクセルの画像は以下URLですので新しいタブを開いて入力下さい。
https://stat.ameba.jp/user_images/20240511/05/satun7/7a/4a/j/o1023068115437139281.jpg
比較の為に先日のフラットナーを使わない写真も以下に再掲します。
ヘラクレス座 球状星団 M13
タカハシFC-76DCU+ソニーNEX5ボディ直焦点
露出96秒 ISO3200 タカハシTS100追尾
焦点距離570mmF7.5
ん?しかしぱっと見たところ、ほとんど変わらないですね。ほんの僅かにノーマルの方が周辺の星が膨らんでますかね。良く分かないので、右上隅の周辺像を等倍で切り出してみました。
フラットナー無しのノーマル画像
マルチフラットナー使用の画像
やっぱり、フラットナーの方が丸い点像になってます。でも、ほんの僅かな差でした。やはりNEX5はAPS-Cで画角が狭いので、マルチフラットナーのメリットを活かすにはフルサイズ一眼が必要になりますね。私の様にAPS-Cのミラーレス一眼でライトな天体写真を楽しむのなら、ノーマル鏡筒でも何とか見れる写真になりそうなことが分かりました。これもフラットナーの購入を検討している方の参考になれば幸いです。
私はもう購入してしまったので、贅沢オプションとしてこれから直焦点で星野を撮影する時は、余裕を持った広範囲の補正能力を常用してまいりたいと思います。
いやいや、毎度低レベルな内容で申し訳無いですが、最後まで読んで下さった皆様には感謝に堪えません。誠にありがとうございました。(^^)