『グロテスク』(2007年感想) | さっとんの読書感想文

さっとんの読書感想文

タイトル通り、ワタクシ・さっとんの読書感想文。

『書評』よりも『読書感想文』。

そんな言葉の方がしっくりくる感じなのです。

時々映画の感想なども★

グロテスク〈上〉 (文春文庫)/桐野 夏生
¥650
Amazon.co.jp


グロテスク〈下〉 (文春文庫)/桐野 夏生
¥680
Amazon.co.jp


(閉鎖ブログ 2007.2.13投稿記事)



新しい本を求めて書店をウロウロしていた際に、

別に私には特別な第六感など無いのだが、

ただならぬオーラを感じて手に取り購入した一冊。



著者は、『OUT!』や『魂萌え』などで御馴染みの直木賞作家・桐野夏生氏。



圧巻です。

天才だと思いました。

女同士独特のドロドロしたものを、
こうも的確に描ける作家はそうそう居ないのでは無いかと思わされました。



せっかちな性格故か、長編が大の苦手な私。

読み始めると間延びして、延々と時間が掛かってしまう為、

滅多に上下編の長編には手を出さず、短編ばかり読んでいるのだが、

この作品は読み始めるとグイグイと引き寄せられ、

一週間足らずで読み終えてしまいました。



『東電OL殺人事件』に『オウム事件』を絡めたモチーフが元になっているらしいが、

これでもか、これでもかと世の中の様々な差別的要素をテーマとして投げかけてくる。

冒頭のユリコの姉の手記はなんとも退廃的耽美な味がして、

『泉鏡花文学賞受賞作品』というのも大いに頷ける。

とにかく圧倒される秀作。





正直、“誰にでも勧められる良作”とは違いますが、

“グロテスク”な毒が欲しい人にはオススメの一作です!