野球との出会い | 野球狂さっとんのブログ

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野球狂さっとんが野球あれこれ話をします。

時々脱線するかも知れませんが基本的に野球の話をします。

野球が好きな方大歓迎です。

・・・野球との出会い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



『これを持ってついて来なさい。』

父親が茶色の牛革で出来た野球のグローブを差し出した。


まだ小学4年生のさっとんの両手には

大人用のグローブは重かった。


家から歩いて5分ほど離れた小さな公園に

グローブを持って父の後をついていった。


父親は160cmの身長で痩せ型だが筋肉質

顔は男前の猿といった感じである。(笑)


鼻の下にイボがあって、

これが気になるのか

いつもイボを触っていた。




公園について父がさっとんに声をかけた。

『いいか、ここにいろよ。』

父は大股で18歩歩き、クルリと向き直った。

『いいか!行くぞ~!』

どこに?



さっとんは何の話だかサッパリ分からない。

父はボールを投げるから捕れと言う。



初めて見た野球のボール

グローブもブカブカで重い。


いきなり無茶なことを言うなぁ~。(笑)



さっとんは言われるまま父が投げたボールを捕ろうとした。

父が投げたボールが

だんだん近づいてくる。


ボールはさっとんの右側へ行き

グローブを出したが間に合わない。



サットンが差し出すグローブの脇を抜け

ボールは点々と後ろに転がっていく。



ガシャーン。

20mほど奥の金網に当たってボールが止まった。





あ~あ、捕れなかった~。



よ~し、帰ろう~♪


さっとんは帰ろうとした。(笑)




『こらこら、どこに行く~?』



父がさっとんを引き止める。

捕れなかったから終わりじゃない?



さっとんにはキャッチボールが分からない。

なにしろ、見たことも聞いたこともないのだ。




父が転がったボールを拾ってきて

さっとんにレクチャーを始めた。

『いいか?お父さんが投げるボールを捕れよ!』

こうして構えてグローブはこう持って・・・・・・



さっとんは教えて欲しいなんて

これっぽっちも思っていない。(笑)



それどころか父に付き合ってあげている。

・・・くらいにしか思っていない。(笑)




父にしてみたら・・・

勘の悪い子供だな~!

・・・っと思ったことだろう。




『よ~し!行くぞ~!』

だから、どこに~?



野球を知っている人なら分かるだろうが

さっとんは行くぞ~!の意味が分からないのだ。




どこかに行くのかと思えばボールを投げてくる。

何が何だかサッパリ分からない。



また、ボールを投げてきた。




さっとんの頭の中は?(ハテナ)がグルグル回っている。

ボールはさっとんの左脇を抜けていく。


そりゃそうだ!


いきなり心の準備が出来ていない子供を連れてきて

初めて見たグローブを渡して

いきなり18mくらい離れた所から

かなり離れた所に投げられたら

捕れるわけがないでしょ・・・。(笑)


もっともである・・・!



さっとんの運動神経はクラスの中でかなり良い方だった。

体育の授業などでは模範演技をすることも度々ある。



さっとんはそろそろ飽きてきた。

ボールを捕ろうと思わなくなった。(笑)



いきなり捕れという方が無茶なのだ。

しかし、父は捕れることが当たり前のように

速い球を右に左に投げてくる。




ある程度近づいて

遅い球を捕らせてから距離を伸ばせばいいのに

いきなり遠い距離で速い球を投げてくるのだから

捕れないのが当たり前だ。





今度も父がボールを拾いに行った。




はたから見たら1人でボールを投げて

それを自分で拾いに行くのだから

何をしているのか分からない・・・・。



変人にしか見えないだろう。(笑)




全くキャチボールになっていない。



『ちゃんと捕りなさい!ハ~ハ~!』

父は息を切らせてボールを拾ってきて・・・



そして、また同じ位置まで戻り、

さっとんにボールを投げようとしている。



『行くぞ~!』

どこに~?



同じ事の繰り返しだ。(笑)



父の投げたボールはさっとんをめがけ真っ直ぐ飛んできた。

さっとんは胸の辺りに来たボールを

下からすくうように捕った。


見事にグローブで捕ったのだ!

心のなかでヤッター!と叫んだ。




すると父が近づいてきて

『この辺のボールはこう捕りなさい・・・。』


グローブを下からすくうような捕り方ではなく

グローブを胸の高さに構え

向かい合った相手に

グローブの中を見せるような

格好をして見せた。



3度めにしてようやく捕れたのに

さっとんを褒めもせず

文句を言っている。



さっとんは頭にきた。

『ぼく帰る。』




さっとんはグローブを足元に置き

スタスタと歩いて家に帰って行った。

1度も後ろを振り返らずに・・・・。




これが・・・

さっとんが大人になるまで

父がよく語っていた

【ぼく、帰る】事件である。(笑)



さっとんからしてみればいい迷惑である。

全く興味のないことを無理強いされたのだ。



しかし、この時の経験が

後に少年野球の監督をした時に

大いに役に立ったのである。



1つ目は、前もって何をどうするのかを話し、

子供がやる気になるまで待つこと。



2つ目は上手く出来たら褒めること。



3つ目は注意したいことがあれば先に褒めておくこと。



特に2つ目と3つ目は


子供をやる気にさせる魔法のスイッチである。