この区での殺しは2度目だ。



当時、一緒にテレビを観ていた母が大きな声を上げた。知ってる駄菓子屋が映った。ぎゅうと手を握る母の圧を僕は一生忘れない。母は絶対でなんでも解決してくれると思っていたから。


そういえばあの時の犯人は結局捕まらなかったんだっけ。同じ人間による犯行だとは思えないけど、12年を経て同じ区で人が殺されることに少しだけ、何??ときめき??「お!お前もそのキャラ好きなの!?」「確かに合唱曲それが良いね」「セカンドアルバムの曲の並び運営がだいぶテコ入れしたなって思ってたんだよ。マジでそうなんだ公開するんだ」みたいな小規模の奇跡。それほど落ち着いた空気の小さな町だから。


今回の犯人はすぐに捕まったみたいで良かった。ふぅん会社の同僚だってさ、こんな小さな町の小さな会社で殺さなきゃいけないほど追い詰められたりするもんかね。東京に行きたいというのは漠然。まだ僕は人を殺したいなんて衝動だとか、嬉しくて涙を流したりとか、好きな人ができたりとか、とにかく何も経験してない。東京に行けば何か変わるかもしれない、志望校を東京に設定する理由なんて全員そうだろ。


あれ街灯が変わってる。オレンジ色のから白い明るいのに。薄暗さが減れば12年に一度の大事件も無くなるのだろうか、関係ないか。


うーん、セカンドアルバムの例えは違ったかもしれない。ちょっと待ってくださいね笑