盾をまな板に、剣を包丁に、火炎魔法を駆使してあっという間にダークケルベロスと薬草のこんがり炒めが完成した。
「苦いわね。」
回復を兼ねてる証拠だよ。少し焦げてるのもあるけどさ。
「明日からどうするの??」
明日聞いてくれ。僕はもう何者でもない。魔王討伐を諦めたんだ、村には帰れない。洞窟の守人Aとして、森の住人Cとして、新たに来る旅の勇者に情報を与えるのが8割。
モンスターに魂を売るのが2割ってとこかな。気ままに暮らすさ。
「私は、どうしたらいいの??」
イライラする喋り方だな。知らないよ。盗賊に転職したら??食い扶持なら盗賊だろう。南西に2日歩けば神殿に着く。
「わかった。そうしてみる。」
君は本当にこの世界の住人に向いてないな。
「楽しかったね。」
楽しくはなかっただろ。