試着室にいる犬にジャーキーを、
マネキンの頭に止まる九官鳥にクラッカーを、
レジ内にいるハムスターにレタスとサツマイモを、与える所から僕の1日が始まる。
食べ終わった1匹1頭1羽を保護し写真を撮り里親を探す。しばらくバックヤードで飼い、2ヶ月貰い手が見つからなかったら僕のアパートへ。
毎日別の犬、別の九官鳥、別のハムスターが必ず定位置にいる。おかげでバックヤードは動物園だ。全然ギュウギュウにならないくらい広いんだけど。
不思議と、
アパートでは犬2頭とハムスター2匹しか飼っていない。里親探しのポスターは惚れ惚れする出来だけども。みんな動物欲しいんだね。特に九官鳥。
毎日動物を店にセットしてるやつが気になってカメラを仕掛けたことがある。警察立ち会いのもと。
やめればよかった。
犯人は僕だった。
僕が夜中に忍び込んで、僕から生えてきていた。
犬も九官鳥もハムスターも僕から生えてきていた。